中小企業は新規の取引の際に取引先のことをあまり調べていないケースがあります。与信管理といって相手方のこともある程度調べてから取引をするかどうかは決めておいたほうがよいでしょう。
与信管理とは
与信管理というと難しく感じるかもしれませんが、取引先からの回収不能のリスクを減らすと考えてみましょう。
いきなり大口の取引で新規のところから申し込みがあるとびっくりするでしょうし、それと同時に回収できるかどうかは確認しておきたいところです。
事業の多くが前受はできず支出が先行します。
お金が出ていくほうが先ということです。
例えば卸売業だとすると、商品を仕入れてから販売する、流通に乗せるということが基本的な流れです。
売れることが決まってから仕入れをするケースもあるかもしれませんが、基本は支出先行であとで回収することになります。
そのため、売掛債権が回収できないと丸々その分が損するということ以上に、先に支出しているわけですからその分も損している形です。
仮に仕入れとその他経費で100とします。売掛債権が300とすると、これが回収できなかったら300の損と思うかもしれませんが先に支出で100を使ってますので0ではなくマイナス100の状態です。
売掛債権が回収できないと事業が立ち行かなくなるため、回収可能性をよく検討したうえで取引をする必要があります。
定期的に取引がある場合ですと回収可能性について心配しなくて済む取引先も出てくるでしょう。新規のところは実績とその信頼関係がないわけですからより慎重になったほうがよいです。
売掛債権としては計上するのですが回収ができないといわゆる黒字倒産の可能性が高まります。
ときどき、大手の取引先から決算書と申告書の直近のモノを提出してほしいと言われるケースがもあります。
そういった場合には相手方から与信管理の関係で情報を集められていると考えておきましょう。大きな会社であればあるほどこういった与信管理はシビアに行います。
取引に前向きなのであれば必要に応じて会社の決算資料なども提出しておいたほうがよいでしょう。
新規取引先の確認を
新規の取引先の何を確認すればよいのかと思うかもしれませんがいろいろと手段はありますので状況に合わせて検討しましょう。
まずは帝国データバンクなどの信用調査会社を通じて情報を入手できないかを確認します。
調査会社は情報収集をしていてそれを販売しているのですが、新規取引先がそういった調査会社に情報を出している場合には参考になります。
いわゆる財務状況も把握できることがあるため、費用は掛かりますが調べてみることをまず検討してみてください。
反対に自社にそういった調査会社から情報提供依頼が来ている場合には、取引先などからそういった情報を把握したいと動いている可能性はあります。
全部が全部というわけではないのですがそれなりの規模の会社で、調査会社の情報提供依頼に非協力的な場合には決算書の粉飾等の可能性もあるので取引時には注意したほうがよいです。
このような情報収集が難しそうという場合には、新規取引先との取引限度額を設定してみるのもリスク管理にはなります。
いきなり大口の取引を求められるとリスクがありますので、少額からスタートというのは検討してみる価値があります。
あとはやはり契約書などで契約内容、取引内容を書面等で残しておくことは大事です。
それがあれば売掛債権が回収可能性が上がるということではないですが、相手方へのけん制にはなりえます。
万が一、法的措置をとることになったとしても契約書があるのとないのでは対応が違うというのは弁護士からよく見聞きしますので準備しておくに越したことはないです。
まとめ
中小企業にとって新規取引は嬉しいものでしょうから、前のめりになる気持ちもよくわかります。
ただ取引条件が良すぎるなど、うまい話というのは裏がある可能性もありますので、慎重に取引の可否を判断していただいきたいです。
焦ってはことを仕損じますし、仕事をして回収できない事態は可能な限り避けたほうがよいので、与信管理に取り組んでみましょう。