中小企業のサポートをしていますと契約書をしっかりと取引先と締結している場合とそうではない場合があります。
大企業だとあり得ないと思うかもしれませんが、中小企業だとこういったことはまだまだ存在しています。
契約書を締結する意味、管理、そして効率化の部分も少し考えるきっかけにしてみてください。
仕事の範囲と内容を決めるための契約書
契約書を普段はあまり締結していないという会社にとっては煩わしいと思うかもしれませんが、締結しておいた方がよい場面のほうが多いです。
特に取引金額が大きくなる場合には回収リスクもありますし、契約書がないことで被る損害もあるでしょう。
言った言わないになるとそれだけで疲弊します。
また仕事の範囲と内容を決めておかないといざ納品の段階になったときに揉める可能性があります。
揉めないにしても例えば支払いの期日や契約金額、タイミングなども明記しておくのが望ましいです。
契約書に記載している、ということそのものが抑止力になる可能性はあります。
もしいま全く契約書を取り交わしていないという場合には、一定金額以上になる場合には契約書を締結するなどの社内ルールの整備からはじめてはいかがでしょうか。
新規取引先からはじめてもよいですし、既存のところでも社内ルールでこう決まった、税理士や弁護士から指導があった、という説明でもよいと思います。
あって困ることはないけれど、なくて困ることはあるのが契約書です。
契約書の管理
契約書を取引先とは取り交わしているという場合には次は管理の問題がでてきます。
案件ごとなのか締結した契約書をまとめて保管しておくのか紙で保存するのかどうするのか、というのがでてきます。
特に契約書が多いような業種(建設業など)は契約書がそれなりの枚数になってきますので管理のしかたも工夫が必要です。
また取引金額の記載がある場合には印紙税の問題がでてきます。
飲食店などではまとめて印紙税を納付する手続きをしているケースもあると思いますが、建設業など金額が大きい場合には税務調査時に必ずと言っていいほど印紙の貼付については確認されます。
契約書の書式やひな形からはじまって、締結した契約書の管理・保存のしかた、締結後のチェックなどのルールも決めておきましょう。
営業担当がいる場合にはそこの業務フローにも影響してくる話ですので、そちらの方のケアもしながら進めるのがよいです。
契約書の効率化
契約書の締結をして管理していくにあたって効率化できるかというと、紙での保存であれば難しい面もありますが、いまはオンラインでの契約書締結も可能になっています。
オンラインでの締結のメリットは紙での保存がなくなる、やり取りがしやすく作成から締結までの時間が短くなる、印紙貼布の必要がなくなる、の3つがあり効率化につながります。
オンラインでの契約書締結サービスも複数あります。
有名なところで言うとクラウドサインがありますが、Adobeも電子サインの機能がありますので便利です。
クラウド会計ソフトもサービス提供しているところがありますので、そういったクラウド会計ソフトを使っている場合には検討してみるのもよいでしょう。
使い方としては契約書をデジタルで作成し、それをアップロードしてお互いに電子サインで署名するというのがおおまかな流れです。
相手方でサービスを利用しているかどうかや、プランによって月の契約締結数なども変わってきます。
自社で現在使っているクラウドサービスなどとの相性や連携の良さなども見ながら検討してみましょう。
まとめ
契約書を締結、取り交わすことや管理、効率化についてお伝えしました。
現状で契約書の締結をしていない場合にはいきなりではなく少しずつルールを決めて取り組んでみましょう。
いますでに契約書の締結ができている場合には管理・保存のしかた、効率化としてオンラインサービスの利用も検討してみましょう。