顧問として法人に関わっていますと業務のなかに決算の打ち合わせがあります。
具体的にどんなことを打ち合わせるのでしょうか?というご質問をいただくことがありますので、創業から3年目ぐらいまでの経営者向けに内容を整理してみます。
決算の着地見込み・税額予測
決算の着地見込みはどれぐらいの売上や利益になりそうか、お伺いしつつ確認することです。
最終の利益の着地見込みができれば税額予測がしやすいです。
そこからなにか決算対策をするか否かなどを検討します。また、納税資金の確保もお願いしておきたいところです。
決算が9月末だとすると納税と申告は11月末が基本です。延長申請している税理士事務所や法人もあるかと思いますが、私の事務所では延長申請はしていません。
結局支払いのタイミングが伸びるだけで事情がなければあえて延長する必要がないと考えているからです。この辺りは税理士の考え方にもよりますので対応は様々です。
納税資金の確保が難しければ融資を受けることも検討します。
納税資金での融資ですと半年の返済期間の短期融資になりますが、それでも6か月に支払効果が分散するなら利息はわずかな負担です。
仮に300万円の納税資金を融資してもらうとして金利が年利2%だとしましょう。
その場合、11月末で一括で300万円の支払いをして利息3万円(300万円×2%×6/12)を節約するか借入をして支払を均すかは資金繰りや経営者の考え方次第です。
決算と納税の話をするのが決算打ち合わせの一つです。
来期のはなし
タイミングとしては決算月かその前月ぐらいには打ち合わせをしておきたいところです。
初めての決算であればなおさら何をすべきかどう考えるべきかがわからないということもあるでしょう。
今期の終わりが見えてきたら来期のはなしをしておきたいところです。
役員報酬を支給している場合には今期の業績と来期の業績見込みを考えつつ検討したほうがいいです。
役員報酬を決めるタイミングは決算後の定時株主総会が基本です。(つまり決算月の2カ月後)
このタイミングで役員報酬を決めますが、上げたり下げたりは出来るものの税務上は不利になることが多いです。(業績が下がったときには役員報酬を臨時改定で下げれます)
詳しくはこちらをご覧ください。
来期の契約や売上の状況を見通すことは難しい面もありますが、ある程度の見込みでもよいので考えてみることからはじめましょう。
目の前の仕事をひとつずつ丁寧にやっていくこともとても大事ですが、今後のことに少し目を向ける時間にしてもらえたら、と考えています。
会社によっていろんな課題がある
会社によってはいろんな課題があります。
事業をいかに継続するか、そのためには利益が必要でどういう風に売り上げをたて、経費の支払いをして利益を残すか。
この点以外にも、会社の資金繰りや融資、ビジネスとして違う分野に乗り出す判断をするのか、事業承継の進み具合はどうか。
こういったことを考える時間というのはなかなか意識しないと見つけられません。
決算の機会をいい時間にしてもらうためにも自社の課題として考えているものを税理士とともに考えてみましょう。
どんなに順調な会社であってもそれぞれに課題はあり、また経営者個人の悩みや不安もあります。
数字という面から事業をみつめ会社・経営者のサポートをするのが税理士の仕事ではありますが、話を伺うことはそれと同じくらい大事だと私は考えています。
まとめ
決算打ち合わせってどんなことを考えて話をするか、私の事務所の場合をお伝えしました。
税理士によって対応や軸として考えていることも違いますのでそれぞれの会社が提供されているものが違うことはあります。
ただ決算の予測、納税、来期のはなしは共通することですのでこの辺りの話ができていないということであれば、一度税理士に相談してみましょう。