給与と講演料等の副業がある場合の確定申告について解説をしていきます。
お医者さんや士業の方ですと給料+副収入・副業といった形で講演をすることを想定しています。
給料があって講演料がある場合の確定申告資料
給料があっても勤め先とは違うところで講演をしたり原稿を書いたり、というお仕事の仕方もあります。
例えばお医者さんですと勤めの方でも外部で講演をすることなどが想定されます。
また士業でも勤めているけれど外部に寄稿するケースなどもあり、お給料+副業(原稿料)という収入のパターンがあります。
この場合の確定申告をするための資料としては
給料→源泉徴収票
原稿料→支払調書
があると分かりやすいです。
ただし支払調書は支払いベースになりますので例えば年末前ぐらいに講演の依頼があって仕事をしたとします。
その入金が年明けという場合には講演を依頼してきた企業等から発行される令和3年分の支払調書には記載されていないことになります。
収入としては令和3年に講演をするという業務が完了しているわけですので令和3年分の収入に計上する必要があります。
入金ベースではなくて仕事が完了したベースでみるということです。
このようなズレが発生することがありますので支払調書だけで確定申告ができる場合とそうではない場合があるということだけアタマの片隅に置いておきましょう。
業務の完了ベースと入金ベースが同じであれば支払調書を確定申告に利用することが可能です。
もし支払調書が手元に届いていない場合には、令和3年分の講演料等の金額を集計して源泉所得税まで計算をする必要があります。
入金金額をベースに計算をする場合については以下のようなパターンが考えられます。
入金:49,895円→講演料55,000円(税込) 源泉所得税5,105円(本体価格に対して10.21%)
入金:49,385円→講演料55,000円(税込) 源泉所得税5,615円(税込金額に対して10.21%)
入金:50,000円→講演料55,685円(税込) 源泉所得税5,685円(手取り50,000円になるように源泉所得税を計算)
入金された金額をもとに割り戻して計算をして、源泉所得税の計算をしてみましょう。
申告の内容
申告の内容としては給与所得については源泉徴収票に基づいて入力をし、講演料等については支払調書やご自身で計算した金額に基づいて入力をします。
給料については住宅ローン控除を受けている場合などを除き源泉徴収されていますし、講演料等も同じく源泉徴収の対象となります。
給与は給与所得で、講演料等は副業に該当すると考えられますので雑所得で計上することを考えると以下のようになります。
左の矢印の部分が雑所得の計上で右の矢印の部分が納税金額です。給与所得900万円、講演料が66万円として計算をした試算です。
所得の内訳
確定申告書等作成コーナーがおすすめ
給与の源泉徴収票と講演料等の支払調書、副業の内容であればご自身で申告書を作成することも比較的ハードルが低い部類に入ると考えています。
この際には確定申告書等作成コーナーで申告書の作成にトライしてみましょう。
雑所得であれば電子申告か否かで青色申告特別控除の金額が変わることもありませんし、紙提出でも手間を惜しまなければ税金への影響はありません。
もちろんマイナンバーカードと対応スマートホンがあれば電子申告が可能です。
還付になるケースもあれば納付になるケースもあると考えられますので給与以外で所得がある場合には一度計算してみるのがよいでしょう。
給与所得が比較的高い、上記の例のような方ですと給与所得が高い分課税価格が高くなり、結果として税率が源泉所得税率10.21%を超えてくるので納税となりそうです。
住宅ローン控除などがあれば還付になる可能性もあるのですが、計算してみないとわからない部分でもあります。
また副業について申告をする場合にはふるさと納税はワンストップ特例が受けられないなどの注意点がありますのでそのあたりも注意しましょう。
まとめ
給料所得者で講演が副業としてある場合には業務として継続しているというわけではないでしょうから、雑所得のその他の区分での計算が適切と考えられます。
また経費関係もないことが多いと考えられるので税金計算はシンプルです。講演料が少なければご自身で申告可能な内容だと考えていますので資料をそろえてトライしてみましょう。