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原材料費が上がったときにやっておきたいこと

原材料費

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

製造業や原材料があるビジネスのサポートをしていますと原材料費については注意してみておくことをお勧めしています。

というのも原材料が上がったときも下がったときも利益に直結してしまうからです。

特に原材料費が上がったときにやっておきたいことを整理してみます。

 

目次

原材料費の推移の把握

まずは原材料費がどれくらいの値動きをしているのかを把握します。

上がっている傾向なのか下がっている傾向なのか。データを取ってみることから始めましょう。

 

価格決定の要因はいろいろありますのでデータを取りつつどういう傾向になっているか、どういった原因があるのかを探ります。

 

製造業や飲食業など原価があるビジネスの場合にはこちらで仕入値を決めることは難しく、コントロールしづらい項目のひとつです。

 

ただし、原材料費が上がっているにもかかわらず売値が同じだと利益に直接的に影響します。

 

例えば売値が1,000で仕入値が500だとしましょう。

売上総利益(粗利益)は売値から仕入値(厳密には棚卸しがありますがここでは省略します)を差し引いて計算します。

1,000 - 500 = 500 と計算できます。売上総利益率は500/1000=50%です。

 

原材料費が5%上がり525となったとして売値に反映できなくて同じ値段で売った場合にはどうなるでしょうか。

1,000 - 525 = 475 の売上総利益となり、売上総利益率は475/1000=47.5%です。

 

この数字上でいうと2.5ポイントの利益率ダウンですが、そもそもの売上総利益率が低い(売値と仕入値が近い)場合には影響はもっと大きくなります。

 

原材料費の推移を把握して見ることがスタートです。仕入の明細や請求書から単価を拾うことはそれほど難しいことではないでしょう。

 

Excelでこのような票を作ってみて、グラフ化するとよりわかりやすくなります。

 

社内での共有

価格の推移が分かったら続いて社内で情報を共有します。

直接顧客と接する担当者で決裁権(価格等を決められる)のある人は特に最初に共有が必要です。

 

というのも、前述のように原材料の仕入値はあがっているのにそれを知らずに、または知らされずに以前と同じ価格で販売してしまう可能性があるからです。

 

細かい数字でもよいですが例えば原材料が何%上がっていることを共有して、どのような価格交渉をするかを打ち合わせをするのがよいでしょう。

 

原材料費の上昇が一時的なモノであればよいのですがそうではない可能性もあり、また自社の企業努力だけでは何ともならない可能性があります。

 

社外共有に向けてその前段階で社内の意識と情報を統一しておくのが大切です。

 

決裁権のある担当者だけではなく、製造部門のほうにも情報共有をします。コストが上がっていることを知ればできることがあるからです。

 

例えば製造業であればより無駄のない設計をしたり型取りをしたりといったことを考え始めるでしょう。

 

今でも十分無駄をなくせている可能性はありますがより一歩踏み込めないかと考えてみることが大事です。

 

原材料費が上がっている分をどこか他の部分で吸収できないか、考えることで売価の見直しとコストの削減の両輪が回り始めます。

 

社外での共有

社内での共有ができれば最後に社外での共有へとステップを進めます。

 

仕入業者との価格交渉もひとつですが価格が上がっている原因をしっかりと聞いておくこと、今後の見通しで考えていることなどを聞いてみることが大切です。

 

仕入業者にとっても取引先ですし長く付き合いたいと考えるのは自然ですので、情報の共有、提供をしていきましょう。

 

最後が価格転嫁するべく取引先に説明をしていきます。

原材料の高騰があるのに同じ価格では売れないということは説明を尽くしておく必要があるでしょう。

 

違った型の提案などもあるかもしれませんし、価格交渉が仮にうまくいかなかったとしても材料の上下動があったときには説明をしておくに越したことはありません。

 

場合によってはこのときの相手方の態度で取引継続するかも選択肢に入ってくるでしょう。

 

あまりにも交渉ができず強い態度に出てこられたら売らないほうが自社にとってよい、ということもあり得ます。

 

売れば売るほど損するのであれば取り扱いしないほうがもちろん良いですのでそのあたりもアタマの片隅におきつつ、交渉をしていくのがよいと考えます。

 

まとめ

取引先とのパワーバランスというのは確かにあるものですがしっかり情報を共有しておく大切さは変わりません。

数字の把握をしておくとこのあたりもタイミングよくつかめることが多いので、試算表を眺めてみることから始めてみましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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