こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
副業と言ってもさまざまありますがひとつが給与をもらういわゆるサラリーマンとしての仕事と、もう一つも給与をもらってする仕事でアルバイト・パートの方もいます。
ダブルワークと呼ばれたりしますが、正社員・派遣社員とアルバイト・パートの掛け持ちのような状態です。
この場合、2か所から給与をもらっていることになりますが確定申告をしたほうがいい、ということを解説します。
2か所給与の税金の計算
2か所給与の場合にはメインとサブという取り扱いにひとつずつなります。(難しく言うと主たる給与と従たる給与となります)
2つの場合であればメインとサブですし、3つの場合にはメイン×1、サブ×2ということになります。
どのように判定をするかというと、金額の多い少ないではなくてお仕事に就く際に「給与所得者の扶養控除等申告書」という書類を提出しているところがメインです。
源泉所得税の計算には甲欄と乙欄と丙欄という区分があります。
甲欄はメインのところ、乙欄はサブのところ、丙欄は日雇いのところ、という使い分けがなされます。
甲欄の場合には扶養している家族の人数などを考慮して税金計算がなされますが、乙欄はこのような考慮はないです。
自分がメインとして上記申告書を提出している勤務先では甲欄によって税金を計算するというルールになっていて、サブのところは乙欄で計算をします。
仮にメインのところの給料が月額15万円(社会保険料などを考慮しない)として、サブのところの給料も月額15万円で同じだとしましょう。
甲欄で扶養人数0人で計算をすると源泉所得税は2,980円ですが乙欄で計算をすると8,700円となりけっこう違います。
2か所以上で給与を受け取っている働きかたをしている場合には、メインとサブで甲欄と乙欄に分けて計算をする、ということになるのを覚えておきましょう。
では2箇所以上で給与のある仕事の仕方をしている方は年末調整をメインのところでやってもらえばそれで済むかというと確定申告をする必要があります。
確定申告で精算
個人の所得税の計算は暦年で計算をします、1月1日から12月31日までの所得について税金を計算する期間です。
2か所以上で給与をもらっている場合には2本立ての状態で合算されていません。
特に乙欄のほうで計算をしているサブの給料はメインでの給料の金額も知り得ませんし、甲欄と比べて高い金額が設定されています。
この2本立ての給与を合計したうえで働いている人の所得を計算する必要があり、この手続きは年末調整ではできないので確定申告をすることになります。
仮の数字で税金の精算をしてみましょう。
メインの給与所得
額面360万円 社会保険料50万円 源泉所得税8万円 基礎控除のみ 扶養なし
サブの給与所得
額面60万円 社会保険料等なし 源泉所得税3万円
としてみます。
ここから下は細かい計算ですので苦手な方は飛ばしてください。
給与収入合計金額 4,200,000円
合計所得金額 2,920,000円
控除金額 980,000円(社会保険料控除50万円 基礎控除48万円)
課税所得金額 1,940,000円
所得税額 97,000円(所得税率5%)
復興特別所得税額 2,037円(所得税額×2.1%)
所得税等の合計 99,037円
源泉徴収税額 110,000円(8万円と3万円)
還付される税金 10,963円
となりました。
合算したら還付となりましたので確定申告をして既に徴収されていた源泉所得税のうち多かった分が返ってきたということになります。
印象としては還付になるケースが圧倒的に多いです。(ただし合算して所得は増えますので納付となる可能性もゼロではないです)
確定申告で精算をしておく、ということの内容は上記のような流れによりそのような表現になっています。
源泉徴収票をよく見てみる
自分の源泉所得税が甲欄で計算されているのかそれとも乙欄か、というのがパッとよく分からない、という方もいらっしゃるでしょう。
その場合には源泉徴収票をよく見てみますと記載があります。
赤枠の中に〇がついていれば乙欄で税金の計算をしましたよ、ということです。
単発のアルバイトを複数行っている場合などもどちらで計算されているかよくわからない、という方がいらっしゃいますので源泉徴収票をよく見てみましょう。
基本的には源泉徴収票が複数枚年末の時点で手元にある、という場合には確定申告をして精算をする流れになります。
年の途中で転職して前職の源泉徴収票を今の職場に提出している場合にはほかに仕事をしていなければ年末に1枚だけ源泉徴収票があります。この点は少し異なりますので注意が必要です。
あくまでダブルワークなどをしていて年末の時点で源泉徴収票が複数枚ある場合のお話です。
まとめ
ダブルワーク、2か所以上の給与がある場合の確定申告、税金計算についてお伝えしました。
他に所得がなくて控除項目(医療費控除やふるさと納税など)がなければ源泉徴収票を手元に置いて確定申告書等作成コーナーにて申告書の作成は比較的簡便に行えます。
税金の精算をするつもりで確定申告をやっておきましょう。