おはようございます、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
確定申告書を提出すると納税金額が確定します。次の確定申告までの各税金の納税のタイミングを確認して現預金を確保しておきましょう。
フリーランスの方にとっての主要な税金について解説します。
令和3年1月26日現在の情報で記載をしています。申告期限が延長されるなどの措置があった場合は納付期限の変更も同じくありますので最新の情報を確認してください。
所得税のタイミング
原則として申告期限が納期限です。よって令和2年分の確定申告の納税の期限は令和3年3月15日(月)となります。
この日付は金融機関や税務署の窓口での現金納付、コンビニ納付(30万円まで)、クレジットカード決済での納付(決済手数料がかかります。法定納期限までに決済が必要)、インターネットバンキングを使用した電子納税(法定納期限までに決済が必要)に対しての日付です。
クレジットカード納付の場合には3月15日までに決済をすれば、クレジットカードの引き落とし日が3月15日以後であっても延滞税や利子税はかかりません。(おカネの流れで言うと、クレジットカード会社が代わりに先に支払いをしてくれてそれに対してカード利用料金の引き落としがかかっています)
クレジットカードの引き落としの日付にもよるのですが、多くの方にとって一番納期限が伸びるのが振替納税です。振替納税は一定の手続きをすれば申告した内容に沿って、指定した金融機関から税金を引き落としてくれる納税方法です。手数料はかかりません。
現在、電子申請により振替納税が可能になっており(金融機関によっては電子申請が現在未対応。順次対応予定)、令和2年分の所得税について振替納税を選択した場合には令和3年4月19日(月)が振替予定日です。
ただし振替日に残高が不足していて引き落としできなかった場合には、不納付の状態となり法定納期限(3月15日)の翌日から延滞税の対象となりますので注意が必要です。
振替納税の場合には残高に必ず注意しましょう。
振替納税を含めてどの納税の方法を選択したとしても申告期限は変わらず3月15日です。時々勘違いしておられる方がいらっしゃいますのでご注意ください。
予定納税
前段では所得税の第三期納税について納税方法を解説しました。
大まかな説明となりますが、令和2年分の所得税の確定申告で納付した金額(第三期納税金額)が15万円を超えている場合には令和3年中に、所得税の前払い=予定納税をする必要があります。
金額は確定申告で納めた金額の3分の1ずつです。
タイミングは年に2回で、7月1日から7月31日までを第一期、11月1日から11月30日までを第二期として納税をする必要があります。
仮に確定申告で納めた金額が30万円である場合には、7月中に30万円の3分の1である10万円を納め、11月中にさらに10万円を納めます。
納税した計20万円は翌年、令和3年分の確定申告時において前払い分として精算をしますので忘れないようにしましょう。
令和3年分において納税金額が仮に50万円だったとしたら、50万円-20万円=30万円が令和3年分の所得税の第三期納税金額ということになります。
消費税のタイミング
個人事業主の方で消費税がかかる規模の方の場合には所得税の確定申告と同じタイミングで申告書を提出し納税の準備をします。
所得税の場合には例年3月15日が申告期限であり法定納期限となっていますが、消費税の確定申告は3月31日が申告期限であり法定納期限です。
納税方法は所得税と同じ方法を選択することができます。振替納税の場合には消費税の振替日は令和3年4月23日(金)となっております。
中間申告
消費税も確定申告の金額が一定金額を超えたら(確定消費税額が48万円を超える場合)、中間申告として前払いをする必要があります。
金額は中間申告回数に応じて変わりますが年一回の中間申告の場合には、今年であれば令和3年8月31日が納期限です。
金額は年一回の中間申告の場合は確定消費税額の半分です。仮に50万円だとしたら2分の1で25万円ぐらいを8月31日までに納税することとなります。
振替納税を消費税においても選択している場合には、年一回の中間申告の振替日は令和3年9月28日(火)です。
所得税と同じく、振替納税の場合には残高に注意しましょう。
住民税のタイミング
フリーランスの方は所得税の確定申告書を提出すれば一定の場合を除き住民税の申告を別途行う必要はありません。
申告書の内容がお住いの自治体に伝えられて住民税の計算をし納付書などと一緒に通知されます。
お勤めの時は6月から翌年5月にかけて12分割した金額を給料から天引きしてもらっていた方が多いと思いますが、独立すると住民税は普通徴収(給料から引くのは特別徴収)となります。
納付のタイミングは一括もしくは分割となり、分割の場合は年4回に分けて納税を行います。
第一期は6月末、第二期は8月末、第三期は10月末、第四期は翌1月末、というタイミングとなります。
金額はザックリとした計算となりますが、所得税の確定申告書第1表の数字が入っている部分の右上㉚番の金額の10%が目安です。
仮に㉚番の金額が500万円だとしたら10%で50万円が住民税の目安となります。
具体的な金額は5月に自治体から送られてくる通知で確認しましょう。50万円だとしたら4期分割納税だと12万5千円ずつ4回に分けて納税をするイメージです。
個人事業税のタイミング
ある程度の所得金額(利益の金額です)がある場合には個人事業税が課税される可能性があります。
青色申告の場合には青色申告特別控除(10万円、55万円、65万円)を控除する前の収入から経費を引いた利益金額が290万円を超えている場合には、その超えている部分の金額について営む業種に応じた税率を乗じて計算をします。
仮に私が500万円の利益だったとしたら、500万円-290万円=210万円となり、この金額に第三種5%(税理士業)を乗じて210万円×5%=10万5千円が個人事業税として納める金額です。
個人事業税は第一期と第二期に分割して納めることとなり、8月末までに第一期分を、11月末までに第二期分を、それぞれ半分ずつ納めることとなります。
まとめ
ご紹介した税金を分割で納める場合には以下のタイミングで納税となります。
3月 | 所得税 第三期 | 消費税 確定申告 | ||
4月 | ||||
5月 | ||||
6月 | 住民税 第一期 | |||
7月 | 所得税 第一期 | |||
8月 | 消費税 中間申告 | 住民税 第二期 | 事業税 第一期 | |
9月 | ||||
10月 | 住民税 第三期 | |||
11月 | 所得税 第二期 | 事業税 第二期 | ||
12月 | ||||
翌1月 | 住民税 第四期 | |||
翌2月 |
結構納付のタイミングが多いなと感じるのではないでしょうか。
確定申告の数字が固まったときにザックリと1年間の納税金額を確認しておカネと心の準備をしておきましょう。