こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
相続税の税務調査に対してとても不安に思う方が多くいらっしゃいます。テレビドラマなどの影響で、税務調査と言えば自宅に調査官がある日突然踏み込んできて、家の中を探し回って嵐のように去っていく、そんなイメージをお持ちの方が多いです。
現実問題としてそんな調査はほとんどないですし、よほどのことがない限りは相続税の税務調査でそのようなことはありません。
相続税の税務調査の流れを確認しておきましょう。
申告書を出したら
相続税の申告書を提出するとすぐに税務調査があると考えている方もいらっしゃいますが、そういうわけではありません。
基本的には申告書を提出してから税務署内でまずはチェックが行われます。そこからなにか確認したい事項などがあれば連絡が来る、という流れです。
大まかにですが申告書を提出してから1年ぐらいはチェック等に時間を要するようで、一年たった後の8~12月ぐらいが一番連絡頻度としては多い印象です。
そこからはいつ来るかはわからないのですが、申告書を提出してから3年が経過すれば、もう来ないかなと考えています。
質問事項や確認すべきことがあれば税務署から連絡がありますが、OKという連絡はないので確かに不安になることもあるでしょう。
3年たてば大丈夫と考えてもらって良いと私もお客様にはお伝えしています。
一般的な流れ
税理士が関わっている場合には税務代理権限証書という委任状のような書類を申告書と一緒に提出します。
この書類は、申告書については〇〇税理士にお願いしていますので何かあれば私(依頼者)ではなくて〇〇税理士を通してください、という趣旨になります。
よって、この書類が提出されている場合には何か申告書の内容で確認したいことがある場合なども含めて基本的に税理士あてに連絡が入ります。
この税理士を通してくださいという書類もお客様にとっては安心材料のひとつではないでしょうか?
我々税理士も仕事で必要なので税務署からの電話はときどきありますが、一般納税者の方は税務署から電話があることそのものに不安を感じる方もいるでしょう。
専門的な用語でまくしたてられたり、高圧的な態度を取られたりということを想像するかもしれませんが、実際にはそういうことはものすごく減ってきている印象です。
税務調査に関する法律のルールも整備されたことも大きいでしょう。
それでも一枚間に税理士が入ること、その点だけ見ても安心していただけるのだとお客様と話をしていると感じることも多いです。
また税理士によっては書面添付制度を活用している場合もあります。この書面添付制度は、申告書だけ見ても判断根拠などが分からないであろう内容について、申告書を補足説明する書類と考えてください。
この書類を提出している場合には税務署が何か申告書の内容について確認したいことがある場合には、税理士に連絡のうえ意見聴取という機会が設けられます。
相続人の方などに対しての宿題事項を預かってくるという意味あいもあり、いきなり税務調査に移行するよりかは心の準備がしやすいと私は考えています。
弊所においても相続税申告書についてはこの書類を採用し添付しています。
事前打ち合わせが必要
もしイロイロな準備をして適切に申告書を作って提出していたとしても、税務調査というのは起こりうる可能性があります。
可能であれば事前にどんなことが聞かれますとか、どういう場所を見られます、といった打ち合わせをさせていただくようにしています。
最近は税務調査の時間も短くなりつつあり、相続税の税務調査であっても午後1時から税務署の調査官が来て、夕方4時前には終了する、なんてこともあります。
全ての質問事項についてその場で応える必要はないですし、確認してから返答することでも問題ありません。また税務署のほうでも受け答えと確認した資料から、税務調査の日よりも後で質問事項があることがありますので、そこはお互い様ということです。
コロナウィルスの影響もあり、なるべく負担の少ない形で目指しているようですし今後もその傾向は強くなるでしょう。
申告をした方にとって申告書の専門的な内容は調査官からの質問というのはよく分からない可能性もあります。
税理士にとっての税務調査は申告者と税務署の通訳的立場も兼ねていると私は考えているので、もし税務署の方が言っていることが分からなければ素直にそう言っていただいたほうがスムーズに事が運びます。
事前の打ち合わせを通して心の準備をしていただくようにお願いしています。
まとめ
申告書を提出することそれ自体も不安を感じる方がいらっしゃいますが、その後も税務調査のことがよぎると確かに不安になるでしょう。
少しでもその不安が和らぐように説明事項は丁寧に、ゆっくりとお話をすることなどを心掛けています。