漫画家・同人作家の方にとって、確定申告は悩ましいという方も多いでしょう。特に注意していただきたいのは、売上に関する金額の確認です。
入金金額ではなく、明細を確認してほしいと思っていますので、今回はその点について書いてみます。
売上の明細を確認したほうが良い理由
確定申告が苦手な方に多いのですが、入金の金額をもとにいろいろなものを計上しがちです。
特に売上については、入金された金額をそのまま確定申告に使っているケースがよく見られます。しかし、これが確定申告の間違いの元になっていることがあります。
例えば、漫画家・同人作家の方の場合にも「締め日」や「売上の集計期間」があります。
FANZAやDLsite、出版社の売上についても、それぞれ「いつからいつまでの売上か」が明細に記載されているはずです。それらを確認した上で、売上金額を計上する必要があります。
例えば今は1月ですが、1月末に入金されるもので、12月が売上の対象期間になっているケースがあります。いわゆる「12月締め・1月入金」という場合です。
入金ベースで処理をすると、1月に入金されたものを1月の売上として計上してしまいます。こうすると売上としては正しく見えるかもしれませんが、締めの期間に対応した売上を計上しないと、期間がずれる原因になります。
支払調書も基本的には入金ベースで記載されていることがほとんどです。そのため、支払調書ベースで売上金額を計上していると、入金ベースで計上しているのと同じ状態になってしまいます。
入金ベースや支払調書で金額を計上している場合には、間違っている可能性が高くなります。
だからこそ、明細を見てから売上を計上するという習慣をつけてほしいと思っています。明細にはさまざまな金額や必要な情報が書いてありますので、それをベースに計算してください。
売上の明細から確認したい事項
売上の明細が手元にある状態で、まず何を見ればよいかをお伝えしていきます。
1. 売上の対象期間を確認する
最初に、その明細に記載されている売上が「いつからいつまでのものか」を確認してください。
例えば、明細を見て「12月末締め」という記載があれば12月の売上ですし、「12月1日〜12月31日の売上」という記載がある場合も12月の売上になります。
「いつ締めの、いつ払いか」をまず明細で確認することが必要です。
2. 金額の内訳を確認する
続いて確認したいのは、売上金額・消費税額・源泉徴収税額です。
例えば、明細によっては以下の4つの金額が記載されていることがあります。
- 税抜きの本体価格
- 外税の消費税
- 源泉徴収税額
- 支払金額
それぞれどのように記載されているかを確認してください。売上については消費税込みの金額が記載されていることもありますし、源泉徴収税額が税抜金額に対してなのか、税込金額に対してなのかも記載されている金額からわかります。
こうした金額の確認をせずに入金ベースで記載すると、いろいろなところに間違いが生じる可能性があります。期間の確認と金額の確認は必ず行いましょう。
3. 出版社・配信会社ごとの違いに注意する
支払調書についても、外税の消費税を別で記載しているケースがあり、出版社や配信会社によって違いがあります。
明細の形式は出版社によって異なりますが、同じ出版社で今月と来月の明細が全く違う形式になっていることはほとんどありません。出版社ごとに確認をして、それに沿った処理を必ず行いましょう。
4. 消費税と源泉徴収税額を混同しない
特に注意したいのは、消費税と源泉徴収税額の混同です。消費税は10%、源泉徴収税額は10.21%(100万円まで)と似た割合で計算されるため、金額がごちゃごちゃになっているケースがあります。
仕訳をする際は、特に源泉徴収税額を別で管理しておくのが確定申告の際にわかりやすいのでおすすめです。
まとめ
漫画家・同人作家の方が確定申告で間違いやすいポイントは、売上を「入金ベース」で計上してしまうことです。正しく申告するためには、以下の点を心がけてください。
- 入金金額ではなく、明細を必ず確認する
- 売上の対象期間(締め日)を把握する
- 売上金額・消費税額・源泉徴収税額の内訳を確認する
- 出版社・配信会社ごとの明細の違いに注意する
- 消費税(10%)と源泉徴収税額(10.21%)を混同しない
明細をしっかり確認する習慣をつけて、正確な確定申告を心がけましょう。
