年末が近づいてきて、会社員の方も確定申告をする方の相談等が増える時期ではあります。会社員+副業で申告が必要なケースだとどういった申告の方法になるかというご相談が多いので、少し検討してみます。
会社員+副業の申告内容
会社員のほうは給与所得という区分になりますので、基本的には年末調整をいつも通り受けていただくということになります。
これは副業をしているかどうかにかかわらず、他の方と同じです。会社に必要な保険料控除の証明書やローン控除の証明書を出して、年末調整をします。
確定申告をする際には、その給与所得に関する源泉徴収票というのを会社側から発行されますので、それをベースに副業の分を上乗せして申告をするイメージです。
なので、給与+副業の場合には給与の分の源泉徴収票が必要です。年末調整はいつも通りやるということを念頭に置いておいてください。
副業のほうはどうするかというと、届け出をしていない場合には、基本的には青色申告が取れませんので、事業所得の白色申告もしくは雑所得での申告になります。
私のオススメは雑所得での申告です。帳簿の要件なども簡便なため、あまり申告に手間をかけずに済むからです。
規模によっては事業所得の青色申告をお勧めすることもありますが、事業所得の白色申告と雑所得(業務)の税金計算上の違いはほぼないと言えますので、ご自身の状況に合わせて選択するのが良いでしょう。
副業部分を青色申告する場合
副業の部分を青色申告したいと思った場合には、今の時点で今年の分を選択するということはできません。届け出の期限が決まっています。
仮に今、青色申告の承認申請書を提出していない状況だと、先ほど触れたように事業所得の白色申告、もしくは雑所得の業務で申告をすることになります。
来年は3月15日までに青色申告の承認申請書を出せば、来年分の申告から青色申告の適用を受けることができます。
もし規模的なものも含めて事業所得にしておきたいということであれば、来年のうちに青色申告の承認申請書を3月15日までに提出しておくことが望ましいです。
これにより帳簿を備え付け作成しておく必要がありますが、青色申告の特典を受けることができます。
特に大きいのは65万円の控除だと思いますので、それを受けたいと考えているのであれば、青色申告の選択は必須になります。
ただしやはりその特典がある場合にもデメリットはあります。
例えば雑所得については、帳簿要件がかなり緩やかになっていますが、青色申告をする場合には、決算書を作り、帳簿を備え付け作成してそれを保管しておくという必要が出てきます。
ですので青色申告の場合には会計ソフトなどに入力する必要が出てくるかなと考えています。
そういったことを手間に感じるのであれば、副業のメリットとしては、雑所得を選択できるということも場合によってはありかなと思いますので、よく考えて選択してください。
ネット通販、生活動産かどうかも注意
例えば、中古の品物を買ってきて、それを販売するというケースだと、古物商の許可が必要なケースもあるでしょう。
そういった許可を受けているかどうか、受けようと思うのであれば、そういった内容の申請も必要になります。
インターネット通販関係だとそういったケースもよく見かけますので、古物商の取り扱いをできるようにしておくと望ましいです。
また、ご自身の所有物で生活動産の場合は確定申告が不要ではありますが、最近よく見聞きするのがトレーディングカードの売買です。
ご自身が趣味で集めていたものでも一点(一組)30万円を超える場合には譲渡所得として申告が必要になりますし、ご本人が趣味だと主張していても明らかに営利目的で大量に仕入れて販売しているようなケースだと一点30万円以下でも課税対象になる可能性があります。
近年は希少価値の高いトレーディングカードが高値で売買されるケースも多くあるようで、海外にもコレクターが多いトレーディングカードもあるようです。
そういったものの売買をしている場合には特に申告が必要かどうかは慎重に判断したほうがよいでしょう。
まとめ
会社員の方が副業をされる場合、給与所得については通常通り年末調整を受け、副業分については雑所得または事業所得で申告することになります。
青色申告には65万円の控除という大きなメリットがありますが、帳簿の作成・保管などの手間がかかります。
青色申告を希望される場合は、3月15日までに承認申請書の提出が必要ですので、ご自身の副業の規模や手間をかけられる時間を考慮して、最適な申告方法を選択していただければと思います。
