「もしGoogleのアカウントが急に使えなくなったら、仕事はどこまで止まるだろう?」――当事務所でも、あらためて考えてみた問いです。
当事務所では、記事の下書きも、毎週の企画表も、ネタ帳も、Googleドライブに置いています。メールも予定もGoogleです。ホームページの相談フォームも、Googleフォームで作りました。
便利だからこそ、気づくとひとつのアカウントに仕事のほとんどが乗っています。
先日の動画でAIサービスのアカウント停止のリスクに触れたのをきっかけに、一度きちんと考えてみることにしました。今回は、その棚卸しと、実際にしている備えを整理します。
まず書き出す――何がGoogleに乗っているか
最初にしたのは、Googleで何をしているかを書き出すことです。表にして、止まったときに困る度合いを3段階でつけてみると、手を打つ順番が見えてきます。当事務所の場合は、次のようになりました。
| 使い方 | 乗っているもの | 困る度 |
| メール | お客様とのやりとり、各種サービスからの通知 | ★★★ |
| カレンダー | 予定、締切 | ★★ |
| ドライブ | 企画表、ネタ帳、資料、お客様とのファイル共有 | ★★★ |
| フォーム | ホームページの相談受付 | ★ |
| ログイン | 「Googleでログイン」で入っているサービス | ★★★ |
| 認証 | ほかのサービスのパスワード再設定先、2段階認証の連絡先 | ★★★ |
書き出してみると、データの置き場所としてより、ほかのサービスへの「入口」としてGoogleを使っている場面が多いことに気づきます。
いちばん怖いのは「ログイン」と「認証」――止まるのはデータだけではない
データは、あとから取り戻せることもあります。本当に困るのは、ほかのサービスに入れなくなり、仕事が連鎖して止まることです。
「Googleでログイン」で登録したサービスは、Googleのアカウントが使えなくなると、一緒に入れなくなります。ほかのサービスのパスワード再設定の連絡先がGmailになっていれば、そこも取り戻せません。
ひとつの鍵で、いくつもの扉を開けているような状態です。
止まる理由は、アカウントの停止だけではありません。サービスの障害、仕様や料金の変更、自分の操作ミスでも、同じことは起こりえます。
起きる確率は低いけれど、起きたときの影響は大きい。だからこそ、平時のうちに備えておくのが現実的です。
ひとり事務所でしている分散と備え――止まったら困るものから順に
すべてを分散させる必要はありません。表で「困る度」が高いものから順に、別の道を用意しておきます。
まずは、仕事のメールです。独自ドメイン(事務所専用のアドレス)にしておくと、受け取るサービスを乗り換えても、同じアドレスを使い続けられます。
実際、この事務所サイトの独自ドメインのアドレスでGoogleWorkSpaceを使っており、ウェブメールからもアクセスできるようにはしています。
次に、ログインと認証です。大事なサービスは「Googleでログイン」ではなく、メールアドレスとパスワードで登録し直しました。パスワード再設定の連絡先も、Gmail以外にもうひとつ用意しておくと安心です。
2段階認証(パスワードに加えて、スマートフォンなどで本人確認をする仕組み)のバックアップコードも、印刷して紙で控えておくのがおすすめです。スマートフォンをなくしたときの、もうひとつの入口になります。
データは、定期的に書き出して、別の場所にも置いておきます。Googleには「Googleデータ エクスポート」という書き出しの機能があり、2か月ごとに自動で書き出す設定もできます。書き出し先は、別のクラウドや外付けの保存先を選びましょう。
最後に、お客様への連絡手段をもうひとつ持っておくことです。メールが止まっても、電話など別の方法で一報を入れられるようにしておきます。
実際にしていることと、まだできていないことの両方があるのが正直なところです。
メールに関してはサーバー容量などにより不具合があり実際にメールを送れていなかったり受取れなかったりというトラブルがあったことがあります。
メールアカウントの避難先というかバックアップもあったほうがいいというのは改めて強く感じて対応を行っています。
なお、AIやクラウドを使うときに「お客様の情報をどう守るか」は、別の記事で整理しています。今回は「自分の仕事をどう止めないか」の話です。
まとめ
- 便利なツールほど、気づかないうちにひとつのアカウントに寄りかかっている
- 怖いのはデータより、ログインと認証が連鎖して止まること
- 全部を分散する必要はない。止まったら困るものから順に、別の道を用意しておく
- バックアップはこまめに定期的に取っておくこと
現実的な第一歩として、「Googleでログイン」で入っているサービスと、パスワード再設定の連絡先がGmailになっているサービスを書き出してみましょう。仕事の環境の手入れも、からだと同じで、ときどきの点検が大切です。
税金・確定申告のご相談について
顧問契約中の方のご連絡や単発のご相談は、LINEまたはお問い合わせフォームからどうぞ。新規の顧問契約は、現在お受けしていません。漫画家・同人作家・イラストレーターの方は、CTA(クリエイターズ・タックス・アライアンス)からご相談ください。
