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資金繰り表作成のポイント 入金のタイミングを把握しよう

資金繰り表のポイント

中小企業の場合、資金繰りのチェックはお金の流れを把握し、事業を長続きさせるために必要な指標になります。

ただし、多くの会社がそれをやっていない現状がありますので、ぜひ資金繰り表を作っていただきたいと思います。

今回は資金繰り表を作る際に注意したほうが良い点についてお伝えします。

目次

資金繰り表とは

まず大前提として、資金繰り表とはどういったものかというと、お金の流れを把握するための帳票と考えていただいてかまいません。

決まった形式はないのですが、例えば一番簡単に資金繰りを把握する方法は、決まったタイミング(例えば月末や月初)で前回と比べてどれくらいお金が増えたり減ったりしているかということを確認する方法です。

例えば今は10月ですが、10月末時点の預金の合計残高と、9月・8月のそれぞれの預金の合計残高を集計してみて、増えているか減っているかを見るのが一番シンプルに確認しやすい方法です。

現金でのやりとりがある会社の場合には、そこに現金を加えてください。

もちろん、日々や週次など様々なタイミングで資金繰りを確認する方法もありますが、まずシンプルに確認しようと思うと、預金残高を確認してみるというのがおすすめです。

もう少し詳しく資金繰りを確認したい場合には、資金繰り表を作ってみるというのがおすすめです。

この際に要注意なのが、売上や経費として会計上の計上するタイミングと入出金のタイミングがずれるものです。

入出金とタイミングがずれるもの

例えば、飲食店を例に考えてみましょう。飲食店で現金商売だけということであれば、お金の出入りを把握するのは比較的簡単になります。

その日入ってきた現金が基本的には売上になりますし、その日出て行った現金が経費になるというのはシンプルでわかりやすいです。

ただ、今の飲食店は多くの業態でクレジットカードやバーコード決済などを取り入れています。つまり、売上として計上するタイミングと入金になるタイミングがずれることが多いということです。

クレジットカード決済の例

例えばクレジットカード決済で確認してみましょう。

クレジットカード決済は導入している決済会社の締め日の関係もあるのですが、15日と末締めの2回の締めがあることが一般的です。

締め日が2回あるということは、2回入金があると考えていただいて結構です。

10月1日から10月15日までのカード決済の合計金額からクレジットカードの決済手数料を差し引かれたものが、翌月の決まったタイミング(例えば翌月の15日だったり20日、月末)に入金されることになります。

売上としては10月1日から10月15日の売上であり決済したタイミングが基本的には売上の計上タイミングになります。

10月1日に売上げたものが現金だとその日に入ってきますが、クレジットカード決済だと仮に翌月20日払いの場合、10月1日の決済金額が11月20日に入金されるということです。

このタイムラグは資金繰り表を把握する上でとても重要な内容になります。

資金繰り表作成の実務ポイント

詳細に資金繰りを把握していこうと思うと、このように計上のタイミングと入出金のタイミングがずれるものを漏れなく把握していくことが大事です。

売上だと現金以外にクレジットカードやバーコード決済がありますので、そういったものや売掛金があるのであれば、いつのタイミングに支払期日を設けるかで入金のタイミングが変わってきます。

資金繰り表では例えば10月1日の分を入力するとして、売上が現金のものであれば10月1日の入金金額の記載をして、クレジットカードのものであればいつ入金になるということを日々更新していく方が精度が高くなっていきます。

未来の入金予測を把握することで、資金繰りの把握がより詳細に、精度が上がっていきます。

これは仕入れや経費についても同じです。クレジットカード払いで経費を支払いをした場合も、逆の意味で同じです。

10月1日にカード決済したものが11月15日に引き落としされるようなタイミングのズレがありますので、カードの締め日や引き落としのタイミングをよく確認するというのが資金繰りを把握する上でとても重要になってきます。

現金取引だけであれば、お伝えしているようにそこまで神経を巡らせる必要はないと思いますが、今の時代はいわゆる掛け取引がとても増えています。

そういった内容を細かく把握することで資金繰りの精度が上がってきます。そこを注意して資金繰り表に取り組んでみると、よりお金の流れが見えやすくなってきます。

まとめ

資金繰り表は、事業を継続させるために欠かせないツールです。まずはシンプルに月末の預金残高を比較することから始めて、慣れてきたら詳細な資金繰り表を作成してみましょう。

特に重要なのは、売上や経費の計上タイミングと実際の入出金のタイミングのズレを正確に把握することです。

クレジットカード決済やバーコード決済など、タイミングがずれる取引が増えている今の時代だからこそ、それぞれの締め日や入金日を細かく確認し、未来の入出金を予測することが大切です。

日々の記録を丁寧に行い、資金繰り表を活用することで、お金の流れが見える化され、より安定した経営が実現できます。ぜひ資金繰り表の作成に取り組んでみてください。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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