クラウド会計ソフトを使っていても過信は禁物です。便利機能を使いつつも注意すべき点をお伝えしておきます。
残高照合しているか
会計ソフトを使って帳簿付けをし、青色申告特別控除65万円のために貸借対照表を作成しているフリーランスも多いです。
ご自身でやっているかたむけに何度かお伝えしていますが残高が合っているかはよく確認しておきましょう。
残高が間違っているから直ちに青色取り消しみたいなことは実際にはないですが、現金残高が数百万とかマイナス残高だと間違いがあることは一目でわかります。
残高照合をこまめにしておきましょう。
クラウド会計ソフトで銀行口座のデータ連携があり、通帳の中身を一行ずつ入力するみたいなことは減ってきています。
それでも取引登録(freee)やMFのデータ連携での仕訳登録時に間違った処理をすると残高は合いません。
残高照合機能がクラウド会計ソフトに備わっている場合には月次決算などのタイミングで締め作業の中に残高確認を入れておきましょう。
少なくとも預金口座の残高は合わせておきたいところです。
帳簿上の現金残高は「事業用の」現金の存在を意味しています。
ここが数百万になっているケースやマイナス残高になっている、実際にはプライベートの資金で立て替えなどしているという場合には事業主勘定を使うのも選択肢です。
初期設定で現金勘定を使わずに取引登録することもできますし(freee)、残高がどうしてもおかしいという場合には事業主勘定を使って決算時に精算処理をして(ある意味で強引ですが)、貸借対照表をきれいにしておくことも検討してみましょう。
消し込み処理に注意
預金の残高は通帳と帳簿上の金額が合っているかの確認を行うのですが、売掛金などの掛け取引の残高はどう合わすのがよいでしょうか。
売上を請求したときに未入金だと以下のような仕訳登録をします。
売掛金ー売上高 110,000円 〇〇商事 という風な仕訳が発生します。
入金のときがポイントで、
普通預金ー売掛金 110,000円 〇〇商事売掛入金 と預金口座に請求金額通りに入金があればシンプルでわかりやすいです。
請求金額通りに入金がないというのはどういうケースかというと源泉所得税の徴収があったり、振込手数料が差し引かれているケースです。
振込手数料が差し引かれているとこういった処理をしてしまいがちです。
請求時 売掛金ー売上高 110,000円
入金時 普通預金ー売掛金 109,120円 (振込手数料880円差し引かれて入金)
振込手数料が差し引かれて入金になることの良し悪しはここでは取り扱いませんが、この状態だと売掛金の残高が880円残ってしまいます。
そのため、追加で支払手数料ー売掛金 880円 といった処理を入れる必要があるわけです。
源泉所得税の場合は、事業主貸(源泉所得税)ー売掛金 10,210円 といった処理を入れることで売掛金の残高が綺麗になくなります。
あとたまに見かけるのは入金=売上高として登録すると売掛金の残高が消えずにずっと残ったまま、売上高も二重計上になります。
請求時 売掛金ー売上高 220,000円
入金時 普通預金ー売上高 220,000円
としてしまうと売掛金220,000円は残高に残ってしまい、売上は二重計上です。
買掛金も同じですしクレジットカード連携でもプライベートのものと事業のものが混ざっているとデータ連携されていたとしても残高がおかしいケースは見かけます。
残高の再チェックをしてみておかしければ直してみてください。
まとめ
残高のチェックの仕方などは誰にも教わりませんし、クラウド会計ソフトであってもアラートは出していないケースも多いです。
ということは意識してチェックしなければ間違いに気が付かないわけです。入力したら、データ連携をしたらチェックをする習慣を身に着けるのがおすすめです。
ここができるようになると帳簿の精度がぐっとあがります。