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同人ゲーム制作の個人事業主の消費税の処理

同人ゲーム制作の個人事業主の消費税の処理

同人ゲーム制作の個人事業主の方からご相談をいただく機会が増えてきましたので、よく聞かれるテーマとして消費税の処理を整理しておきます。

目次

費税の取り扱い

消費税のインボイス制度が始まったこともあり課税事業者かどうかの確認からスタートするのがよいです。

個人事業主の場合は2年前の売上金額が消費税部分込みで1,000万円を超えていると課税事業者になります。

2025年の課税事業者判定は2023年の課税売上高で判定という流れです。

この課税売上の金額ですが、国内事業者が取引相手の場合は課税取引に該当しているため消費税部分込みで収入があります。

FANZAやDLsiteの明細や売上通知を見ていただくと消費税部分の記載があるのでわかりやすいです。

またこれとは別に例えば海外のプラットフォームであるSteamでゲーム販売をしている場合はどうでしょうか。

この場合は日本に住んでいる事業者がSteam(Valve社によるプラットフォームで米国が所在地)に著作権の貸付をしていると考えられるため、輸出売上に該当すると考えられます。

国内事業者→Valve社へ著作権の貸付、Steamを介してユーザー・購入者にダウンロードの許諾という流れになっており、国内事業者からValve社へは輸出免税取引となり、Valve社は電気通信利用役務の提供によりサービス提供になると考えられます。

この輸出売上は消費税の計算上は金額に影響はないのですが、税務の世界ではいわば0%売上と呼ばれるもので、課税売上に含まれます。

そのため、2023年にSteamだけの売上で1,000万円を超えている場合には2025年は課税事業者になると考えられます。

国内のプラットフォームの分は課税売上という認識があるかたが多いですが、海外の分は輸出免税売上になることがあるので取り扱いに注意が必要です。

申告への影響

消費税の申告上注意が必要なのはやはり輸出免税売上の取り扱いと簡易課税方式で申告をするかどうかです。

ゲームクリエイターのかたの場合、ご自身で開発していて外注費も少なく経費が全体的に少ないことが多いです。

そのため、多くの場合は簡易課税(第5種事業)で売上にかかる消費税の50%を納める申告をしたほうが有利なことが多いと考えられます。(経費率が20%もいかないケースはよくある印象です)

簡易課税方式が選択できる間(2年前の課税売上高が5,000万円以下)は簡易課税方式で申告するのがよさそうです。

簡易課税方式が選択できなくなったらその時は原則方式でしか申告できませんのでその点は資金繰りなどを考慮しておくのがよいでしょう。

輸出免税売上のみの場合はどうかというとこの場合は簡易課税方式だと消費税として受け取っている金額はゼロなので申告しても納付はないです。

仮に原則課税の場合には国内の仕入・経費にかかる消費税部分は仕入控除の対象となりますので、輸出免税売上のみで消費税申告を原則課税で行うと還付申告になる可能性が高くなります。

還付申告ならそれでいいと思うかもしれませんが、消費税の還付申告は現在チェックが厳しくなりつつあり、各種帳票の提出などを求められるため煩雑に感じるはずです。

還付になる金額がそもそも僅少ということであれば簡易課税方式も選択肢にはなるでしょう。

まとめ

特に海外のプラットフォームを使ってゲームを配信している場合には消費税の取り扱いとともに平均課税や外国税額控除関係の取り扱いもでてきます。

国内での販売だけでは出てこない論点がたくさん出てきますのでもし該当する場合には取り扱いをひとつずつ確認して対応していくのが望ましいです。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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