まだタイミングじゃないな、という方はぜひ毎月末の事務所通信メルマガ(無料)の登録をこちらから!

贈与税・相続税の負担者は誰か

贈与税・相続税の負担者は誰か

贈与税や相続税の申告のご依頼をいただくと納税のこともサポートします。その際にときどき聞かれるのが肩代わりしてもらったらどうなりますか、という話です。

贈与税・相続税の負担者が誰か整理しておきます。

目次

税の負担者は誰?

贈与税や相続税でよくこの手の話が出てくる理由としては親族間で贈与や相続があるからだと考えられます。

例えば贈与の場合だと親から子への贈与が多いですが、この場合に財産を贈与される子が受贈者といって贈与税の負担者です。

財産をもらっていわば金銭的に得をしているからということなのですが、この際に親御さんから贈与税もこちらで持てるか?という相談が出てくることがあります。

子が負担すべき贈与税を親が負担しているわけですから子は経済的な利益を得ていると言えます。肩代わりしてもらっているわけですので。

つまり贈与税の部分を贈与してもらった状態です。

金銭での贈与の場合は受贈者(子)が受け取った金銭から贈与税を支払うことができるのでそのようにご案内することが多いですが不動産の贈与の場合は贈与税負担の話がでてきます。

例えば2024年に不動産の贈与をしました、翌年2025年に贈与税の申告をします。贈与税が300万円でした。これを贈与者(親)が肩代わりします。

こうなると2024年に不動産の贈与→2025年に贈与税相当額の贈与→2026年に贈与税相当額の贈与の贈与税申告、という流れになります。

金額大きく、肩代わりが続くようなら贈与税申告を毎年行うということになります。また贈与税相当額の肩代わりに加えてほかの贈与があれば贈与財産に加算です。

相続税の場合も似たような話がでてきます。

相続税の場合は財産を受け取っているかたが相続税の納税義務者になりますが、配偶者が存命の場合には一定規模財産までは相続税が軽減されてゼロになっているケースが多いです。

この場合、相続人(子)が負担すべき相続税を親(亡くなった方から見て配偶者)が負担したいという話が出てきます。

これに関しては贈与税の内容と同じく、負担すべきものを肩代わりしてもらっているので贈与税の対象となり得ます。

相続税が500万円でそれを一部でも全部でも肩代わりしてもらったら贈与税の課税対象財産になりますので注意が必要です。

負担すべきものを肩代わりしてもらったら贈与

受贈者=財産を贈与されたひと、相続人=財産を相続したひと、それぞれが本来であれば負担すべき納めるべき税金を肩代わりしてもらったら贈与、ということは頭の片隅に置いておきましょう。

それがダメということはありません。

可能であれば贈与契約書を作っておいて翌年の贈与税申告と納税を忘れないようにしておきましょう。

この肩代わりを貸付と主張されることもありますがその場合には返済していることが重要です。

少なくとも返済できる計画があってそれに沿って返済がなされていないと貸付ではなく贈与と認定される可能性があります。

このあたりの金銭のやり取りは外から見てどう判断されるか(外というのは税務署という意味)は意識しておきましょう。

普通に見たら返済してないのだから貸付じゃないでしょと言えてしまいます。

金利については親族間での貸し借りですから不要としても問題はないですがいわゆる元本部分は返済が必要です。

相続の場面でもこれはお金の貸し借りでしたと言われることがあるのですが貸し借りなのか贈与なのかはシビアに判断されますので注意が必要です。

相続税申告の税務調査では相続税の支払い原資、出所は確認されることがあります。

仮に亡くなった方のタンス預金=現金で納税していて相続財産に計上されていない場合には相続財産の計上漏れを指摘されますのでこちらも注意しましょう。

まとめ

贈与者やほかの相続人に負担をしてもらうことそのものがダメ、というわけではなく贈与になるという認識の上で負担をしてもらうことは可能です。贈与税の申告など必要に応じて対応しましょう。

特に相続税の負担をしてもらった場合には税務調査があったときに納税資金の出どころについてはそれとなく確認されることがありますから注意が必要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

目次