フリーランスの方でも住宅ローンを組んで自宅を買うということは可能です。ただしいわゆるサラリーマンよりもハードルが高くなります。基本的な考え方をおさえておきましょう。
借りられる金額は所得に応じる
どれくらい借りられるか、というのはよく聞かれることですが所得が多ければ多いほど借りられます。
これは法人が事業用資金を借りるときにも同じことが言えます。個人事業主だともっとダイレクトです。
というのも銀行は返せる人にしか貸さない、むしろ貸せないからです。
年間100万円しか返せないひとに30年ローンで5,000万円はどう考えてもかせないです、オーバーしてしまいます。
元本と利息の両方を返せそうな資力、稼ぎがある人にし貸せないですよね、当たり前です。
友達でもお金を貸すなら返ってこないと思って貸しなさいと言われるぐらいですから。
銀行は預金者から預かったお金を借りたい人に回して利息を得る必要があり、返せない人に貸してはいけないわけです。
フリーランスだとその返せる能力の指標は所得金額、つまり利益となります。
利益を少なくしすぎているひとはいざ住宅ローンの申し込みをするときに後悔するわけですね。
所得が少ないのでこれだけしか貸せませんとストレートに言われるケースもあるでしょう。
その段になって何とかならないかといわれても正直困ります。その所得はいわばフリーランスの方の生活費の原資なわけです。
また独立してある程度年数が経っていることも必要です。
というのもサラリーマンはなかなかクビになって無職になるようなケースは少なく、会社や組織が守っている状態です。雇用や給与が保証されているというのは貸す側からしても安心材料ですよね。
フリーランスは収入の上下動がありますので、ある程度の年数にわたって所得がある状態を維持しているほうが断然かりやすくなります。
少なくとも3年分の確定申告書類が住宅ローン審査で求められるのはそういう側面があるからです。
所得を増やすことをまず考えよう
購入したい住宅があったとして今の自分の所得では足りない、という場合には借りれなければ買えないわけですからここで無理すると後でひずみが生じます。
例えば売上を水増しする、経費をプライベートな財布から出したものとして経費計上しない、ということは粉飾決算です。
事業用のお金の出入りと所得金額の整合性が取れなくなっていくので生活自体は苦しいものになるでしょう。
なにより水増しした所得で住宅ローンに万が一通ってしまうと返済するときに相当苦しくなります。
もともと借りるには少ない所得だったにもかかわらず借りているわけですからオーバースペックの可能性が高いです。
住宅ローンは期間が長く設定できるのでその分長期間にわたって影響が持続します。
こういう話をすると住宅ローン控除があるというひとがいるのですが、10年、13年と住宅ローンの期間35年だと長い期間のほうが影響が大きいのは当たり前です。
仮に10年で住宅ローン控除が終わったとしたら25年残るわけですよね。
オーバースペックの状態で借入しているわけですから返済はかなりしんどく感じるはずです。
そうならないようにするためにも粉飾決算で住宅ローンを借りるのはやめたほうが身のためです。希望金額を借りれないのであれば分不相応という可能性のほうが高いわけですから。
本来は経費のものを計上しないというのも限度がありますし、通常の経費も削るといっても限界はあります。
所得、つまり利益を増やそうと思うと売上を増やすか、経費を減らすかのどちらかです。両方するというのもよいでしょう。
現実をしっかり見直して出来ることをやっていき適切な計算、申告内容での所得を増やすことに注力するほうがよいですし後で後悔しないです。
まとめ
住宅ローンのためだけに所得を調整しようとする人がいますがやめておいた方がよいです。
のちの返済のことも考えたほうが絶対によいですし、そもそも所得が低いのであればまずそれを上げることが先決ですね。高い買い物なので慎重に判断することをおすすめします。