申告をしなかったらどうなりますか?というご質問を時折いただきます。申告が不要な状態なら問題ないですが、申告が必要なのに申告をしていないと問題がでてきます。
どういう経過を取るか確認しておきましょう。いまもし申告をしないといけないのに申告をしていないかたは早めに対応することをおすすめします。
すぐに連絡はこない
申告が必要なのに申告をしてない状態がすぐに税務署にわかるわけではありません。いろんな情報をもとに「この人は申告が必要なのでは」とピックアップします。
その情報収集が必要なため、申告が必要なのにも関わらず申告をしていない人がすぐにわかるというケースは少ないです。
たいていが2~3年分、長い場合は5年分について税務調査されて修正申告等が必要になることから、ある程度の期間をいわば寝かせている状態です。
納税者のほうは申告が必要なのにしていなかった状態に気が付いているかどうかはさておき、税務署から連絡がこないことで自分はマークされていないと思い込んだり申告をそのまま忘れたりして日々を過ごすことになります。
ちなみに申告をしていな状態が判明する情報はいくつかあります。
- 取引関係者からの情報提供
- 取引関係者に対する税務調査
- 近隣住民からの情報提供
- 退職した従業員等からの情報提供
こういったことから判明することが多いです。
あとはいままで申告していたのに急に申告をしなくなっている状態の場合も何故無申告の状態になっているかわからないので確認される可能性はあります。
税務署・国税局にはKSKという納税者の情報が集約されているものがあり、そこから抽出されることもあるようです。
どこからどういうキッカケになるかはケースバイケースですが、無申告のままだといずれ税務署から連絡があると思っておいた方がよいです。
税務署からの連絡を無視していたら
税務署からの連絡が事前にあるケースは多いです。税務調査にも予告調査と無予告調査があり、事前通知が一般的です。
無予告の調査もあるにはありますが、件数としては減っているようです。
税務署からは最初は書面や電話での連絡が一般的で、申告勧奨といった内容が通知されます。
申告が必要だと思われるので申告をしてくださいね、という形ではあるのですが書いてあることは専門用語ばかりのこともあり読み解くのに苦労するケースもあります。
一番良いのはこの時点で税理士に相談をすることです。
この段階で税理士に相談して窓口対応もお願いできればご自身が直接税務署と対応する必要はなくなります。
この効果は意外とあって、税務署側もコミュニケーションが取りづらい連絡しても返事がない納税者を相手にするよりも税理士が相手のほうがやりやすいという側面があるのも事実です。
ここで税理士に依頼することなく連絡を無視し続けているとある日突然自宅などに税務職員が現れます。
税務調査移行となって過去の事業内容から確認されることになります。
仮に事業に関する売上や経費仕入の資料がある場合にはそれをベースに利益計算や申告書作成をしていきますが資料がない場合にはどうするか。
もともと申告が必要なのにしていないわけですからルーズな方が多い印象ですが、資料が全く手元にないみたいなこともあり得ます。
この場合には同業種の事業者の会計情報や通帳などの履歴から推計課税という方法が取られることがあります。
ざっくりこんな感じだったよね、という推測をもとに利益計算をし税金の金額を計算わけですが大まかなこともあって実態とは違っている可能性はあります。
むしろ多めに利益が出ている可能性もあり、納税者に不利な計算内容になっていることがありますが、資料がないから仕方がないと言われると確かにそうなので困ることも。
この場合過去にさかのぼって3~5年分を申告することになるのですが、無申告加算税などペナルティ的な部分がもかかってきます。
こうしたことを避けようと思うのであればやはり気が付いたときに自主的に申告を早めにしておくのがよいです。
自主申告と税務調査が来てから計算されるのとではペナルティ的な部分も違ってきますので、無申告状態に気が付いたら早めに対処しておくに越したことはないです。
まとめ
無申告の状態で税務調査がきてしまうと結構税務署のいいなりになりがちです。また推計課税をされると納税者側に不利な内容になっているケースもあります。
これについてクレームを入れようにも「資料がないのは納税者側の責任」と言われてしまって結局受け入れるしかないということも。
気が付いたときに早めに自主的に対処をする、連絡があっても無視せずに誠実に対応するのが一番ダメージを減らせるでしょう。