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事業者はお金を借りても貸してはいけない

事業者はお金を借りても貸してはいけない

事業者のかたはお金を借りる機会がでてくるものです。家族からなのか金融機関からなのかは別として融資を受ける、お金を借りることがあります。

一方でお金を貸す機会があるかどうか、貸さないスタンスのほうがよいです。

目次

そのお金は会社のお金?個人のお金?

まずお金を貸してほしいと言われる機会が事業主、社長になると増えるかというと増えます。羽振りがいいように見えるんでしょう。

お金を貸してほしいというあからさまなものから、例えば食事に行ったときにも経費になるからおごってくれみたいなこともあるようです。

経費になるからおごるというのはよくわかりませんし、サラリーマンのかたも仕事で必要な会食や物品購入は会社からおカネがでているはずです。(経費精算していれば)

むしろ社長や事業主になったときにはお金に対してシビアになる方のほうが多いです。

湯水のように湧いて出てくるわけではありませんし、借入をしているのであれば返済計画、事業計画、資金繰りと気にすることはたくさんあります。

事業主と雇われの状態で大きく違うのはこの辺りの感覚、経験ではないでしょうか。

それゆえお金に対しての感覚が変わってくる方も多いです。

一方で実際に羽振りが良くなる人もいますのでお金を貸してしまうケースもあるでしょう。

ではそのお金は会社や事業としてのお金なのか、それとも個人のお金なのか?こういったことが気にならない人は事業主向きではなさそうです。

会社のお金なら帳簿に記載されます。個人のお金でも貸して返ってくるかどうかはわかりません。

計数管理というワードがありますが、この場合はお財布のひもがゆるいと言えます。こういった自覚があるかたは要注意です。

役員貸付金、従業員貸付金の問題

会社のお金だった場合には帳簿に記載されると前段でお伝えしました。自分の会社なんだから自分への貸し付けは問題ないだろうという人がときどきいます。

問題ないこともあれば問題があることもあるのです。

法人であれば別人格ですからやはりお金の貸し借りがあると法人の立場に立つと返してもらう必要が出てきます。

会社のお金を社長などの役員のプライベートなものとして支出した場合には役員貸付金という勘定科目で処理をすることになります。

社長が友達のために会社のお金を引き出して渡している場合も引き出しているのは社長ですから、社長名義の役員貸付金になります。

他人がやったらどうかというとそれはまた別の問題がでてきますね。どうやって引き出したのかもそうですし勝手に引き出したのであれば泥棒になってしまいます。

従業員が勝手に引き出した場合は横領です。

役員貸付金や従業員貸付金を解消する方法は会社におカネを戻してもらうのがシンプルですが一番です。

役員貸付金の金額が増えてくると税務調査があったときに問題になるケースもあります。

定期的に引き出しているなら給与や賞与じゃないかと指摘されたり、会社にとっては事業資金の貸し付けなので未収利息を計上するよう指導されることもあります。

こうなると社長の立場でみてもプラスになることは何もないです。

外から見たときの評価

外から見たときにはどうか。会社の決算を見せる機会はそう多くないですが銀行から借り入れをしている場合には印象としてはマイナスです。

そもそも事業のための資金を融通してしまっているわけですあkら、そういう会社に融資を躊躇するのは自然な反応です。

役員貸付金が多額に計上されていると、銀行の担当者の立場になると「どうしてこんなに?」というのと「貸したらまずそう」という反応になります。

銀行が会社に貸したお金が私的に流用されている可能性が高いからです。

こういうことを頻繁にやってしまう社長に限って資金繰りは見れていませんし、いざとなったら銀行にリスケしてもらうからと言います。

コロナ融資を私的に流用してしまっているところはいまから大変です。

いわゆるゼロゼロ融資(実質無利子、無担保のコロナ禍における緊急融資で審査が甘かった)の返済が始まっており、資金繰り改善は急務です。

まとめ

会社のお金を私的なことに使ってしまう社長は意外といます。お金を借りる前にそのあたりの改善も必要かもしれません。

少なくともお金を貸してしまう、意図せずして役員貸付金が計上されるようなことはないようにしたいですね。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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