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個人事業主向け 消費税の納税義務判定と原則簡易 金額の整理

個人事業主向け 消費税の納税義務判定と原則簡易 金額の整理

個人事業主のかたからご相談をいただくと消費税の納税義務判定や原則か簡易かの話で金額がごちゃごちゃになっているケースがあります。

インボイス登録後の特例計算も含めて納税義務関係の金額を整理しておきましょう。

目次

消費税の納税義務の判定

消費税の納税義務があるかどうかの判定に使うのは売上で、金額は1,000万円です。

ここまでは割とすんなり行くのですがいつの売上かがわからないという方が多い印象です。

納税義務の判定に使うのは2年前の売上というルールがあります。

個人事業主の場合には事業年度は暦年、つまり1/1~12/31ですので、2023年の納税義務の判定には2021年の売上を使います。

申告のタイミングは2024年の3月です。申告のタイミングと納税義務判定をごちゃごちゃにすると訳が分からなくなりますので注意です。

納税義務判定をした年の次の年に消費税の確定申告をする、という理解でよいでしょう。

では2021年の売上が1,000万円を超えていたとして、その2021年が消費税の納税義務者かどうかで少し事情が変わります。

というのも消費税の納税義務に使う売上は課税売上高というのが正しいのですが、免税事業者のときの年分は消費税込みの金額で判定し、課税事業者のときの年分は消費税抜きの金額で判定します。

つまり2021年が消費税の納税義務者かどうかで売上1,000万円の意味合いが変わってくるということです。

2019年は免税事業者だったけれど売上が消費税込みで1,001万円だったとき、2021年は課税事業者です。税込みで1,000万円超えているので。

では2021年の売上が消費税込みで1,001万円だったとしたら2023年の消費税の納税義務は税込み1,001万円での判定ではなく税抜きに直して判定します。

この場合は税抜きに直すと910万円の課税売上高です。(1001万円×100/110)

途端にややこしくなってきましたね。

判断の順番としては

2年前の売上をみてみる

2年前の事業年度(暦年)が課税事業者かどうか見る(2019年の売上)

という順番です。

原則か簡易かの判定

消費税の計算方法には大きく分けて原則方式と簡易課税方式の2種類があります。

原則方式:売上にかかる消費税-仕入・経費にかかる消費税=納める消費税

簡易課税方式:売上にかかる消費税×一定割合(業種により異なる)

という大枠をとらえておきましょう。

簡易課税方式のほうが特別な計算方法ですので自分で選ぶ必要があります。

選んだら適切なタイミングで届け出をしておくことも忘れずに。

ただし無条件で簡易課税を選べるかというとそうではなく、ここでも売上の話がでてきます。

売上をチェックする期間は納税義務の判定と同じで個人事業主の場合は2年前です。

2年前の課税売上高が5,000万円以下であれば簡易課税方式で計算ができます。適用の届け出を出していて、不適用の届け出を出していない場合には課税期間については必ず適用されます。

ここでの課税売上高は2年前が課税事業者であれば税抜きの金額で判断をします。

税抜きの売上金額が5,000万円を境に超えたり下回ったりしていると原則方式と簡易課税方式とで計算方法が入れ替わることはあります。

インボイス登録後の話

インボイス登録をすると納税義務判定なしで課税事業者になります。2年前の売り上げがいくらか、みたいなのは出てきません。

インボイス登録をしている限りは消費税の課税事業者です。

ただし、インボイス登録すると特別な計算方式が認められていてスーパー簡易課税などと呼ばれているようです。

その年が本来免税事業者(インボイス登録をしなければ免税事業者)であれば、激変緩和措置により、売上にかかる消費税の2割で消費税の納税金額を計算できるというルールができました。

なのでインボイス登録をすると課税事業者にはなるのですが、そもそも免税事業者かどうかの判定が必要になります。

まとめ

消費税の納税義務や簡易課税方式の選択についてお伝えしましたが、消費税にはほかにも届け出関係の期限や計算方式の強制適用など複雑なポイントがあります。

インボイス登録も含めてご自身の消費税の納税義務判定、計算方式の確認、納税金額の目安などを確認しておきましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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