漫画家・同人作家の方向けに確定申告対策(帳簿付けなど会計、社会保険、税金)をまとめます。
今年大変だったな、という方は参考にしてみてください。
帳簿付けなどの会計
帳簿付けをするのが一番ハードな印象です。毎日じゃなくてもよいのでタイミングを決めて帳簿付けをしてみましょう。
印税や著作権の使用料は源泉徴収されていますので、帳簿付けを怠ると還付される若しくは精算される税金が少なくなる可能性があります。
頻度としては1週間に一度30~40分で構いませんので帳簿付けをすること、これを目標にしてみてください。
毎日でもいいですが大変でしょうしそれほど分量も多くないでしょうから一週間ごとの帳簿付けをまずは意識しましょう。
入力されたものについては毎月の月末または月初にチェックをしておきます。
入力しっぱなしだとあとで直すのに手間です。
売上は入金があるので把握しやすいですが経費のほうはこまめに整理しておきましょう。
経費の中身についてはこちらの記事を参考にしてください。
また事業用の口座とプライベートの口座を分けておくのもおすすめです。
ラクにしようと思うとプライベートの出入りが多い分ノイズが増えますので、事業用口座でのプライベートのやり取りを少なくするのが良い方法です。
プライベートと事業用の口座がひとつでまとまっている場合には分けることを考えてみましょう。
社会保険
漫画家・同人作家の方の社会保険については動画でもお話しています。
健康保険は文芸美術国保で、年金は国民年金に国民年金基金を付加するのがおすすめです。
厚生年金の保険料がない分は将来受け取れる年金が少なくなるのですが、いまのうちから資産運用(NISAなど)で積み立てておくのがよいでしょう。
法人成りすると厚生年金に加入できますがその分負担が増します。
税金
税金の対策としては、平均課税が適用できる場合には平均課税を適用すること、税金対策としては小規模企業共済とiDeCoを活用することがスタンダードです。
平均課税については過去の年度の分も適用しなおして申告を直すことができますのでもし該当しそうであれば一度専門家にご相談いただくのがよいでしょう。
小規模企業共済はフリーランスのかたにとっては一番お勧めしやすい税金対策のひとつです。
掛け金が所得控除の対象となるので経費的に利益から引けるのと、受取の時に特に退職金で受け取ると退職金控除を使って税金の計算できる点が魅力的です。
退職金控除は税金の計算上は現状で優遇されています。掛け金の出口のところの部分が優遇されているのでおすすめしやすいです。
iDeCoは投資になりますが個人事業主だとMaxで月額68,000円です。こちらは60歳まで原則解約できないので資金がロックされる点と投資商品で運用している場合には元本割れするリスクがあるという点が注意点です。
この上でNISAをするかどうかはそれぞれ考えていただくのがよいかなと。
まとめ
経費漏れなども税金対策においては有効ですが変な投資をしたりおカネを払って税金を減らすぐらいなら、今日ご紹介した内容をまずはやってみてから考えてみてはいかがでしょうか?
確定申告対策にウルトラCの方法はないので地道にやっておくことをおすすめします。
自分でやるより頼んだ方がコストパフォーマンスが高いということなら税理士に帳簿付けと申告の部分をお願いするのも方法としてはありでしょう。
実際、私の事務所でも自分でやるのが苦手、おカネ周りのことで安心できる、作品に集中できる、といった理由でご依頼をいただいております。