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創業計画の注意点 売上推移の見積もり Howも考える

創業計画の注意点 Howも考える

融資を受ける際の創業計画を拝見することがあったり、一緒に作成をしていく場面で気になるのが売上の見積もりです。

まだわからないことばかりではあるので致し方ない部分もあるのですが、非現実的な数字だと一緒に考えてみるようにしています。

目次

売上推移の見積もりとは

業計画を作るときには売上の、仕入れ・経費の予測を立てて利益を計算します。

融資を受けるわけですから返済がいずれは必要になります。

この返済は経費ではなくまずは利益から返していく、というのが求められることですので利益が出るように計画を作ろうとしますがそれはよいことです。

ただ、いきなり売上が何百万も計上されている計画だと、どうやってこの売上を得るつもりか?ということの説明が必要です。

何もしていなくて売上が得られるならだれも苦労しませんし融資も必要ないかもしれません。

どういう種類の商品やサービスをいくつ売ればこの売り上げが計算できるのか見てみましょう。

単価1万円のものを100個売るのか、5万円のものを20個売るのか、同じ100万円の売上ですが取り扱うものでまったく違ってくるでしょう。

どうやって売るか、という部分はマーケティングや広告の部分も関わってきますが、何をいくらでいくつ売るつもりかは計算してみると物理的に大丈夫なのかそうじゃないのかが見えてくるものです。

どう考えても高い見積もりだと計画のまき直しというか作成しなおしが必要です。

ビジネスによってはいきなり売り上げがあがるものもあるかもしれませんが、その金額を維持する又は増加させるのはまた大変です。

ガーンと上がって徐々に下がってくるような売り上げは飲食店、特にラーメン屋などはこの傾向が強いです。

商材単価が高いものだと2~3カ月は売上が計上できないみたいな計画も見かけますが、むしろ現実的かもしれません。

事業の種類によって変わってくる部分なので売上の見積もりを作ってみたときに推移を見てみたり、物理的に可能かはチェックしておきましょう。

必要な売上の算出

事業を運営して継続していくには利益が必要で、融資を受けたら返済にも利益が必要です。

利益を出したいところですが、まずは経費を支払ってトントン、利益ゼロの売上はいくらになるかもチェックします。

仕入が売上の25%だとして、月の経費が90万円だと見積もりしてみたとしましょう。このとき利益がゼロになるトントンの売上はいくらでしょうか。

売上-仕入(売上×25%)-経費(90万円)=利益(0)ですから変数は売上だけですので分解してみますと、

  • 売上-売上×25%-90万円=0
  • 売上×75%-90万円=0
  • 売上×75%=90万円
  • 売上=90万円÷75%=120万円

となりました。

仕入原価が売上の25%で月の経費が90万円だとすると、売上が120万円で利益がゼロ、トントンということです。

120万円の月売上を得るために何をいくついくらで売るか、そうするとそれ以上であれば利益が出始めると考えることができます。

仕入原価が売上に応じて金額が変わるので原価率と言われたりしますが、もうひとつの表現として変動費と言います。

対して月の経費90万円は毎月変わらない、例えばテナント料などが該当しますが、こちらは表現として固定費と言います。

変動費と固定費に分けて割合や月の固定的にかかる経費を見積もりできると以上のような利益がゼロになる売上のポイントが計算できます。

この利益がゼロになる売上の金額のことを損益分岐点売上といいますので仕入があるビジネスをする場合にはこの売上金額をアタマの片隅においておくことをオススメしています。

Howも考える

前段までは売上の数字にポイントをおいていましたがもっと大切なことは、その売上の金額を「どうやって」得るための営業活動をするか。

事業計画や売上の見積もりはやろうと思えばExcelなどに数字を入れていけばそれなりのモノができあがるものです。

問題はその金額を得るための事業者としての営業活動であり、Howの部分です。

インスタを毎日投稿する、ビラを配るだけで本当に大丈夫ですか?

認知度を上げるまでにはそれなりに時間を要しますし、広告を出すにしてもどこにどういう広告を出すのか、いろんな方法があります。

創業するといろんなコンサルタントの方が接触してきますし、自分でどの方法を採用するのか、やってみるのかを決めなければいけません。

飲食店の場合は特に立地も大事になってきますし、他の事業やサービスでもリピーター獲得のための営業努力、ブランドの構築や定着も必要になってきます。

こういった「どうやって」の部分のほうが数字を整えるだけの事業計画よりもはるかに重みがありますし、リソースを割くべきところです。

計画を作ることと同時にHowを考えてみましょう。

まとめ

数字だけなら創業計画書を作るのは簡単です。創業や事業に思いがあってアツい状態ですから勢いで作れてしまいます。

大事なのは本当にその計画を達成できるのか、そのためになにをどうやってやるか、そこにつきます。

ぜひその点も含めて計画を作って練り上げていきましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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