フリーランスであってもおカネ周りは家計がある分、中小企業の資金繰りとは少し違う部分があります。
家計支出、支出先行、この2つを意識しておカネ周りをチェックしてみましょう。
家計支出も支出
フリーランスの場合には個人事業主ですので自分宛てに給料を出すことができません。
中小企業で仮にひとり社長であっても、会社に売上が入ってそこから自分宛てに給料(役員報酬)を出せます。
一定の要件を満たせばこの役員報酬も会社の経費になるのですが、フリーランスの場合はこれができません。
つまり家計支出としておカネは出ていくけれど、それは経費にならないということです。
例えば毎月50万円の売上があるとして、経費が10万円、家計のための支出が30万円だとすると、利益はいくらでしょうか?
確定申告する際の利益としては50万円-10万円=40万円となります。
手元のお金はいくら残っているかというと、50万円-10万円-30万円=10万円です。
このギャップを認識しておかないとどうもおカネが残らない、おカネが残っていないのに利益が多い、となります。
また、確定申告という視点で見ると、この利益40万円で生活していると見ることができます。
この利益が少なすぎる場合には税務調査があったときに「生活費はどこからやりくりしているのか?」という質問がくることがあります。
家計の支出、プライベートの支出(事業に関係のないもの)を経費に計上している場合には利益が極端に少ないケースもあり、そうなるとよく確認しましょうか、となります。
(家計支出の中には国民健康保険料や年金保険料がありますが、その部分は社会保険料控除などとして所得控除の対象となります。)
支出先行が基本
仕事をはじめて先に売上を前受出来るかというとなかなか難しいケースもあるでしょう。
一般的には後払い、仕事が完了したときに売上を計上し、翌月末までとか翌々月末までの支払期限設定です。
仮に10月1日から独立して10月末で売上を計上できたとしましょう。
その10月末の売上が入金になるのは11月末とか12月末、遅い場合には12月末が金融機関が閉まっているということで1月初めになるやもしれません。
仕事を始めてから売上計上までの期間、売上計上から入金までの期間があるということです。
請求したらすぐに入金されるわけではないということがフリーランスになるとよくわかります。
その間全く支出がないかというと、事業経費も家計支出ももちろんあります。
つまり仕事をはじめてから入金までの間はおカネが入ってこない期間であると同時に、支出はある、おカネは出ていくということです。
入金よりも支出が先に始まるという意味で支出が先行するので気をつけましょう、ということをフリーランスの特に独立した手の方にお話しする機会があればお伝えしています。
独立開業時の手元資金をある程度持っておく必要があるというのは支出が先行することを念頭に置いているからです。
家計支出以外にも住民税などは後払いでなおかつ天引きされていたものですから、金額を把握していないことも多く、支払通知が届いてびっくりした、ということが起こり得ます。
開業時には事業の規模や業種、生活にあわせた手元資金の準備(事業用の支出と家計支出のためのおカネ)をしておきましょう。
入金管理も忘れずに
フリーランスになると自分でおカネ周りの管理をしなければいけません。
支払いは通知がきたり、クレジットカードだと勝手に引き落しされますので気にしないことが多いです。
フリーランスのかたで忙しくしていて管理が行き届かない場合には請求書の入金管理ができていないことがあります。
簡単に言うと請求したのに入金されているか確認していない、ということです。
入金されていてもされていなくても売上に代わりがありませんし、前述したように支出先行ですので、売上の入金がないと困ることになります。
取引相手も人間ですし、信頼関係のもとにビジネスをしているはずですが忘れることもあるものです。
毎月末には請求した内容が入金されているかは確認しておきましょう。
請求書には支払期限を記載しておくこと、またその期限を過ぎている場合には入金が確認できていないことを先方に伝えることをします。
あまりにも支払いが遅い、またはない場合には今後の取引も考えることになります。
まとめ
フリーランスになってひとりで仕事をしていると経理や帳簿付けも自分ですることになります。
事業に関係のあることですからこれも立派な業務のひとつです。
特におカネ周りに対して不安がある方はこまめにチェックし、帳簿付けをすることで管理をすると不安が軽減しますのでオススメです。