創業融資は受けやすいと巷でよく見聞きしますが、少し違う印象を持っています。
創業融資であってもきちんとした計画があれば融資を受けやすいと考えていて、きちんとした計画がやはり肝になります。
きちんとした計画っていうのは闇雲に数字を作る、計算をするのではなく、分からないなりにも根拠を添えるということです。
創業計画の数字の考え方
事業を始めて時間が経過している状態での融資は決算書が必要ですが創業融資を受ける際には計画が必要です。実績がないので計画を作ってプレゼンするイメージです。
数字以外の部分としては創業の経緯や事業への想いなどを説明することになります。
このプレゼンや創業にあたってのアレコレを説明するのは経営者の方、事業主のかたですと得意な方が多い印象です。
一方で計画ですから数字を組み立てていくことも必要です。
計画としては3年間の事業収支を作って利益がでるように、借りた金額が返済できるようにということを前提とします。
借入期間はそれぞれの事業によりますが、5年から長くても7年ぐらいというのがオーソドックスです。
その期間を通して利益が出る計画を考えていく必要があります。
数字を考えていくにも利益からボトムアップしていく方法と、売上の内訳から考えていく方法とあります。
両方を見ながら数字を考えていくと事業のおけるボトルネックも見えてきます。
売上についてはいきなり月の月商が100万円とかになっている計画を拝見する機会がありますがかなりハードルが高いでしょう。
そうではなくて価格設定いくらの商材をいくつ売るのか。1万円のものを100個売るのか、100円のものを1万個売るのか。
価格設定もひとつの商材だけではないでしょうし、売上の増え方も基本的には徐々に増えていくはずです。
いきなり初月から売上がボーンと高く計上されていると、それを達成することが本当にできるのか?という視点で作られているか疑問視されます。
融資の担当者も貸したくなくて融資を厳しくするのではなく、もちろんきちんと返してくれそうな人に貸したいので、慎重になるのは当たり前です。
数字もある程度根拠立てて、いくらのものをいくつ売るか、また経費関係はどれくらいかかりそうか。
見積もりなどの根拠資料や目安として考えている金額などをまずは書き出してみて、利益がどれくらいで出てくることになるか、というのを慎重に見ていきましょう。
失敗しても返せる金額しか借りれない
融資の担当者の気持ちとしては貸したいけど慎重に、事業が順調に進んで返してくれるところに貸したいと思うのは当然です。
友達におカネを貸すのとは違いますのでそこは理解しておくべきです。
そのうえで、もし失敗してしまって事業継続が困難になったとしても、勤めに戻って返せるぐらいの金額しか借りれないということは頭の片隅に置いておきましょう。
ときどき、何に使うかわからないのに運転資金として事業規模に見合わない金額を融資申込書に書いているケースを見かけます。
融資希望額の満額を借りられないというケースは往々にしてありますが、そもそも無茶な資金計画を作ってしまうのとはまた別の問題です。
計画の説得力の厚みを増すために
計画の説得力を増すために何ができるかというと、一度誰かに見てもらうのがいいと考えています。
サーっと作って融資の申し込みをすると後戻りできない可能性もあります。
また創業、起業をする方ですと情熱的な方が多くどんどん進めていきたい気持ちをお持ちの方もいらっしゃる印象ですが少し立ち止まって見直しするのがよいです。
ダメ出しというかチェックを誰かにしてもらうと一歩引いて見るきっかけになります。
出来れば専門的な知識がある方に見てもらうのが安心ですが、難しければご家族でも友人知人でもいいでしょう。
誰かの目を通すと明らかにおかしいという部分から違和感を感じる部分まで浮かび上がることもあります。
そこを手直しするだけでも良い計画に近づきますし説得力を増す計画に向かって行けます。
実現可能性や数字の算定根拠などは特に自分が見てわかる状態ではなくあくまで審査の資料ですので誰かに見てもらうものです。
それを念頭に作成してみたものを見てもらう機会をぜひ設けてみましょう。
まとめ
創業融資のサポートをする機会がときどきありますが、ご相談をいただくとやはりここは直したほうがよさそう、というポイントがいくつかでてきます。
そのまま融資申し込みをしても希望通り通らなかったのではないか、と思うこともしばしばあります。
完璧を求めるのではなく、この辺りのラインはクリアしておいた方がいいという部分について丁寧に計画を作っていくことがいいでしょう。
出来れば誰かに見てもらえると自分とは違ってみてくれますのでおすすめです。