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遺産分割や相続税対策で気を付けておきたいところ

相続対策実行前に 確認しておきたいこと

相続というのは一生に一度か二度、自分の親のことで関わる機会がある程度で何回も経験するものでは一般の方の場合にはありません。

いろんなところで相続対策や遺産分割について話を見聞きすることがあり、少し違った形で理解をしている方も見受けられます。

これから相続があって遺産分けや対策を考えているなら、気にかけておいたほうがいい内容をお伝えします。

目次

相続税の申告が必要なひとは誰になる?

相続税の申告が必要な人の判定は相続人であれば該当しますがそれ以外にも申告が必要な人はいます。

例えば遺言で財産をもらう人は相続税の申告が必要になります。

財産を分ける方法としては相続人全員で行う遺産分割協議という話し合いによるものと、財産を遺す方が誰に何を、というのを決めておく遺言があります。

遺産分割協議に参加できる人は民法で決まった相続人だけです。養子縁組をしていたり、親が亡くなっていて代襲相続をする場合の孫を除いて以下のような親族だけです。

  • 配偶者
  • 両親または祖父母
  • 兄弟姉妹または甥姪

遺産分割協議では財産をもらう権利のある人全員で合意をして誰が何を相続するかを話し合いで決めます。

話し合いで決まらなければ調停や裁判といった形で双方の意見を持ち寄り、裁判所に仲介してもらうような形でだれが何を相続するかを決定します。

遺言の場合には基本的に故人の意思がそこに反映されていると考えられますので、遺言の内容が最優先です。

遺言の場合には誰にでも財産を遺贈することが可能で、時には篤志家と呼ばれるような方ですと日本赤十字社などの公益活動を行う組織や法人に遺贈をすることもあります。

遺言の場合には遺留分といって本来であればもらえる権利の分がもらえない相続人はその分を多くもらっている人に請求できます。

相続または遺贈で財産を取得した人は、相続財産全体が基礎控除の金額を超えている場合には相続税の申告が必要です。

遺産分割の場合もそうですが、遺留分を請求して無事にその分を取得した人も財産を取得した人ですので相続財産全体が基礎控除を超えている場合には相続税の申告と納税が必要となります。

ここで注意が必要なのは生命保険の受取人になっている方です。

お孫さんを死亡保険金の受け取りにしている場合にはそのお孫さんは相続税の申告が必要になる可能性があります。(相続財産全体が基礎控除を超えている場合)

お孫さんが代襲相続人ではない場合には3つのポイントがあります。

・死亡保険金の非課税枠の対象にならない(法定相続人ではないため)
・2割加算の対象となる
・生前贈与加算の対象者になる

となり申告義務があることに加えて税負担が増す可能性が高まります。

分ける財産の対象

遺産分割をする際には分ける財産の対象をピックアップして目録を作成することが多いです。

その際に受け取った死亡保険金の金額を計上しているケースがあります。

死亡保険金は分ける財産の対象ではなく受け取った人の財産となりますので分けられません。

仮に死亡保険金から財産を分けたというつもりで遺産分割をしても死亡保険金を分けた場合には贈与に該当します。

これを避けるためには遺産分割協議で代償分割の形を取ることがよいです。

このようなお話をすると相続税がかからないのですか?受け取った人の財産なんですよね?と言われることがあります。

民法上は相続財産ではないのですが、相続税の計算上はみなし相続財産として課税対象となります。

死亡保険金は分ける対象ではないのですが、例えば亡くなった人が保険料を払って被保険者は配偶者、というケースがあります。

被保険者は配偶者ですので保険金が支払われる事由が発生していない(保険がかかっている人が亡くなっていない)ため、死亡保険金という財産ではなく生命保険契約に関する権利という財産として遺産分けの対象です。

生命保険契約に関する権利はいわば保険会社に預けている生命保険料で、解約返戻金相当額が財産計上額となります。

相続対策として生命保険加入を検討する場合には誰がお金を出すのか受取人は誰か、遺産分けの対象になるか、遺言はあるかなどひとつずつ確認していきましょう。

思っていたのと違う結果になることも考えられます。

亡くなる直前の預金口座からの引き出し

おカネを現金でもっておけば相続税がかからないという噂や雑誌記事などを信じて行動をしてしまう人がいらっしゃいます。

相続税がかかる財産、遺産分けの対象となるのは亡くなった時点の財産です。

普通預金口座に入っているか現金として手元に持っているかの違いだけで、亡くなった時点で口座から引き出されていても残っていれば相続財産です。

亡くなることを予見して事前に葬儀費用などを引き出すこともあるかと思いますがそれは全く問題ありません。

亡くなった時点で例えば300万円を引き出しておいたならば手許現金300万円という形で計上をすればよいです。

これがなかったものとして申告書を作成すると以下のような疑問点がでてきます。

・通帳で確認された引き出したおカネの行き先は
・もし使ったなら何に使ったのか形に残るものか
・葬儀費用は誰が負担したのか
・葬儀費用を相続人が負担したならそのおカネの出どころはどこか
・相続人の通帳からはおカネを引き出した形跡がないが
・相続人の現金ということであればどこからのおカネか

といったことが細かく確認されることになります。

葬儀費用を引き出した現金で払っていて、現金を計上していない場合には葬式費用だけ控除される形となり計上財産に誤りがあるように見えます。

高齢の方ですと頻回に金融機関に行くことが身体的な問題などで難しくなるケースもあり、ご自宅に多額の現金が保管されていることもあります。

そういったものも含めて直前の預金口座からの引き出しなど手元現金についてはいくらあったのか確認をして適切に処理をしておきましょう。

まとめ

遺言や生命保険などは亡くなった後で「なかったことにする」ということが難しいです。

事前の準備や下調べの影響が強いとも言えます。

もし対策をしたいと考えているなら一度お近くの専門家に相談しながら進めていくのが安心ですし、特に税金に関しては思わぬ課税を防ぐことにつながります。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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