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帳簿付けのルールのひとつ 総額主義とは

総額主義

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

帳簿付けをする際には手許の資料を見てその情報を入力等していくわけですが大事なルールがひとつあります。

それは売上・収益と経費を相殺しないで計上するということ。総額主義と呼ばれたりします。総額主義について解説をします。

 

目次

帳簿をつける際の情報

帳簿をつける際には手許の資料などから情報を入力していきます。

以下のような情報が入力には必要です。

 

取引の日付
取引の相手がたの氏名・名称
取引の内容
取引の金額
取引についての消費税額、消費税率

こうした情報を仕訳として入力していきます。

 

手許の資料としては請求書、納品書、レシート、領収書などがありますが上記の情報が記載されているものがやはり望ましいです。

 

現金取引で領収書やレシートが発行されないもの、例えば旅費交通費などの場合には現金の出金伝票などで対応します。

 

こういった書類のなかには売上から経費の部分が差し引かれているようなものもあるわけです。

 

経費が差し引きされて入金をされる前のそれぞれの金額を入力する必要があります。

 

他には売上について掛取引をしていて相手方が振込手数料を差し引いて売掛金の支払いをしてきた際にも、売上を修正するのではなく売掛金から振込手数料を支払った処理をします。

 

こういった処理は総額主義に基づいて行われることが求められているからです。

 

総額主義を行う理由

例えば売上から経費を引いて利益のみを計上する場合と、総額主義で計上した売上と経費から計算した利益金額では結果としては同じになります。

相殺処理 30円
総額主義 100-70=30円

 

ただしどういった項目に経費が使われたのかという情報はまったくわからないわけですので、その妥当性も判断できません。

 

また取引規模が外から見ても全く分からないということがあります。

上記の例でいうと利益30円だとして、1,000円-970円なのか、100,000円-99,970円なのかが分からないことになります。

 

消費税の計算上も、売上にかかる消費税から仕入れにかかる消費税を差し引いて原則計算を行いますし、簡易方式(簡易課税)の場合には売上の金額がベースになります。

 

利益だけを計上するとこれらに不具合がでますので会計のルールとして総額主義の原則が求められています。

 

Amazonを例にすると以下のような書類が発行されます。

商品 売上高 プロモーション費用 Amazon手数料 その他 合計
〇△▢ 10,000円 1,000円 1,500円 220円 7,280円

 

こういった場合には合計の金額だけを計上するのではなく

売上金額→売上高
プロモーション費用→広告宣伝費
Amazon手数料→支払手数料
その他→支払手数料

といった内容となります。

 

仕訳として考える場合には

普通預金  7,280円 / 売上高 10,000円 商品〇△▢

広告宣伝費 1,000円            Amazon プロモーション費用

支払手数料 1,500円            Amazon手数料

支払手数料  220円            Amazonその他手数料

です。

(左側を合計すると10,000円となり帳合します)

 

複合仕訳にしない場合にはこのようになります。

普通預金  10,000円 / 売上高 10,000円 商品〇△▢

広告宣伝費 1,000円  / 普通預金 1,000円 Amazon プロモーション費用

支払手数料 1,500円  / 普通預金 1,500円 Amazon手数料

支払手数料  220円  / 普通預金  220円 Amazonその他手数料

 

これにより総額主義により帳簿付けができている状態といえます。

まとめ

フリーランスの方で初めて帳簿付けをされる場合には振り込まれた金額を記載すればいいと考えている方が意外と多いです。

計上の段階で利益計算をするのではなく帳簿上で利益を計算するために総額で帳簿をつけるということをやっていきましょう。

総額主義の原則は法人の会計処理でも同じように求められます。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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