こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
事業をしていると雇用をするタイミングがある場合、どれくらい支出が必要か事前に確認をしておきたいところです。お金の流れを含めて確認してみましょう。
月額25万円の給与の場合
京都府で正社員、月額25万円の人を雇った時のことを考えてみましょう。
健康保険料、厚生年金保険料、この2つを事業主の視点で考えます。他にも所得税、住民税がありますが雇用される人の負担ではあり給料から天引きで事業主負担がないので割愛します。
雇用保険料は事業主負担と雇用される人の負担がありますが労災保険料と合わせて今回は考慮しません。
おカネの流れとしてはこの健康保険料、厚生年金保険料に限っていうと
給料ー社会保険料(被雇用者負担分)=支給金額①
社会保険料として預かった(被雇用者負担分)+事業主負担の社会保険料=支出金額②
会社支給額は上記の合計ですので、計算式を合計(①+②)すると
給料+事業主負担の社会保険料=支出金額として計算ができます。
月額25万円の人を雇った場合の京都府の社会保険料を確認してみますと、
健康保険料の半額が13,078円、厚生年金保険料の半額が23,790円(令和3年3月分からの京都府の保険料額表、介護保険料負担はなしとして)となります。
給料が25万円でしたので合計すると
250,000円+13,078円+23,790円=286,868円となります。
月額25万円の額面だとするとおよそ15%プラスしての支出となります。額面だけではないよということですね。
雇用のコントロールは難しい
月額給与だけを試算してみましたが他にも住宅手当などがついたり、仕事が多くて残業したら残業代も支給する必要があります。
また雇用をするにあたってはそれなりの待遇にしないと応募がないということも最近ではよく耳にします。
給料以外の部分での支出もそうですが職場づくり、働く環境としての整備も必要でしょう。
給料だけにフォーカスしても前述の手当や残業代に加えて賞与、福利厚生費などもあります。
また資金繰りがきつくなったからと言って気安く減らしたり止めたりできないのが人件費の特徴です。
そういう意味ではコントロールが難しい、特に一度給与を上げると下げるのは相当に難しいです。
雇用をするということは組織にするということも意味しますので資金繰りだけではなくほかの部分のコントロールも必要となってきます。
就業規則・給与計算規定の整備
どれくらいの支出がかかる想定か、雇用をした際の組織づくりなど考えることは多いですし決めなければいけないこともあります。
そのひとつが就業規則・給与計算規程の整備です。
いわば雇用をする際の事業主と被雇用者との間のルールブックのようなものです。
何か問題や課題が出てきた都度で相談しつつ解決することも一つ選択肢ではありますがあらかじめ決めておいたルールに基づいて運用する。
定期的にそのルールを見直す、といったほうが負担は少ないように思います。
いまこういった就業規則が整備されていることを重視する雇用者の方も多いですし、ちゃんとやっていますよということが伝わりやすいです。
給与計算も経験がないと総務事務の負担が増大しますので、そういったことを含めてよい運用の方法を社会保険労務士に相談することをお勧めしています。
就業規則がないとダメかと聞かれることがありますがあって困ることはないですが、ないと困ることはあります。
従業員さんと揉めてしまって労働基準監督署から呼び出しされたり調査されるケースはありますが適切な就業規則がないと完全に後手に回ります。
就業規則や雇用契約書など雇用に関するルール作りは一度整備しておくのがよいです。
まとめ
雇用をするというのはやはり資金繰りの面だけではなくほかの面についても考える必要がもちろんあります。
おカネの面をケアしつつ整備していきましょう。