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フリーランスにとって簿記の知識は専門知識?

簿記を身近に

京都の税理士ジンノです。

この時期(確定申告目前)になるとフリーランスのかたからのご相談で、簿記の知識はあったほうがよいですか?と聞かれることがあります。あるにこしたことはないですが。

どこまでの知識が必要かというのが悩みどころですよね。会計や簿記の知識を専門としてお仕事をすることはないのであれば、自分がやるべきこととルールは知って決めておく、ということをオススメしています。

目次

フリーランスの確定申告の難易度は

フリーランスの方は個人事業主という扱いになるので3月15日までに去年の分の所得を計算して確定申告をする必要があります。

 

毎年この1月から3月にかけての時期になると、確定申告が憂鬱、というのをSNSや実際にお目にかかった方からもお話を聞くことがあります。

 

まずもってネックになっているのが、確定申告がややこしいと感じている、難しいと感じている方が一定数いらっしゃるのかなと。

 

簿記や経理とかんがえると確かに難易度が高く感じてしまいますが、ルールに則って数字を集計していく、というイメージでよいですよとお伝えすることがしばしばあります。

 

というのも計算というとややこしく感じますし、数学的な問題と勘違いしておられるかもしれませんが、四則演算(足す、引く、掛ける、割る)のうちでも大きな規模の事業でなければ「足す」しか使いません。

 

もう一つネックになるのが複式簿記がよく分からない、という点です。

複式簿記という字を見ていただくと、複式となっています。一方で別の簿記のルールで単式簿記というものがあります。

 

特徴として単式簿記はお小遣い帳をイメージしてください。片方はおカネということで決まっています。一方向です。

お小遣い帳 金額
お菓子 150
マンガ 500
マンガ 450
お菓子 200

このようにお小遣い帳を付けるときは片方の項目がおカネ(お小遣い)と決まった形で記載していくことになります。

片方が決まっているから単式という理解でよいでしょう。収入と支出しかみないということです。

 

複式簿記はというと二方向で捉えます。具体的には資産と負債の考え方が出てきます。

複式簿記で記帳をするとなると以下のように仕訳を入力する必要があります。

借方 金額 貸方 金額
1/9 (交際費) 500 (現金) 500
1/10 (新聞図書費) 1,000 (普通預金) 1,000
1/11 (広告宣伝費) 5,000 (未払金) 5,000

こうなってくると途端に「あー」となる方が多いかなと思います。

 

借方とか貸方とかよく分からない、という方も多いです。意味はないので左右で十分だったりします。私もお客様に仕訳をお伝えするときは左が○○、右が△△などということもあります。

 

特徴をまとめると

特徴 対象
単式簿記 取引を一方向で捉える お小遣い帳 白色・青色10万円控除
複式簿記 取引を二方向で捉える 仕訳帳 青色65万円控除

という分類になります。

 

自分がやるべきこととルールを知って決めておく

ご自分がどの申告をするかによって簿記の種類が少し変わりますのでまずは現在地を知っておくことが大切です。

 

例えばお給料をもらってやっているお仕事があってそのお仕事の合間に行う程度の副業なら雑所得になります。

雑所得であればそもそも事業所得ではないので青色申告とか白色申告とかは考えなくてよいです。

 

青色申告・白色申告の区別が発生するのは事業所得という種類の所得を計算するときの話となります。

 

フリーランスとして仕事をしていて青色申告であるとか。10万円の控除なのか65万円の控除なのかで前述している通り簿記の種類が異なってきます

 

白色申告、青色申告の10万円の控除で申告をするのであればお小遣い帳、家計簿のような形で帳簿をつければよいので、会計ソフトを使わなくてもExcelで集計することもよいでしょう。

Excelのよいところは馴染みがあって使いやすいという点です。

これぐらいの規模感(白色申告や青色申告10万円控除)であれば特段、会計のソフトウェア(freeeやマネーフォワードに代表されるクラウド会計のソフトウェアや、弥生会計などのソフトウェア)を導入する必要はないと私は考えています。

 

しっかりと複式簿記を使って資産・負債までカバーしている帳簿を作成しようと思うとExcelだけでは少し荷が重いので、そういう時には会計ソフトを上手に活用することも必要です。

 

青色申告で65万円の控除にチャレンジするということであれば、自分が何をすべきか(領収書を集めて定期的に入力する)ということと、簿記のルールを知っておく(複式簿記での入力の仕方)、自分がどのように経理して帳簿を作成するか決めておく必要があります。

 

会計ソフトによっては専門知識は不要です、ということをうたっている場合もありますが、あるに越したことはないですし、知識がない状態で作成された帳簿を拝見すると、コレはチョット難しいなと思うことも正直あります。

 

どのように帳簿を作成するかのルールであれば簿記3級の内容で十分かなと思いますので少しだけチャレンジしてもらえたらというのが税理士としてフリーランスの方への願いでもあります。

 

こういうことが一切面倒だという場合には、報酬を支払って税理士にお願いする方法もあります。

ただご自分の事業ですので自分でコントロールできるというのが一番ですし、出来上がった帳簿などの数字をもとに判断することはとても大切です。

 

税理士丸投げの前に、すこしだけ簿記の勉強をしてもらえればご自分のフリーランスとしてのお仕事の見え方も変わってくると私は考えています。

 

簿記の知識は幅が広いですので、ご自分に必要な部分だけ学ぶというのも私はアリだと思います。

まとめ

[box03 title=”本記事のまとめ”]
  1. 簿記で使うのは基本「足し算」
  2. 複式簿記と単式簿記の違いを知っておく
  3. 自分がどの簿記の形式で帳簿を作るか知っておく
  4. Excelを使うのか会計ソフトを使うのか決めておく
[/box03]

確定申告は集計作業が日々行えているかでスムーズに終えられるかが決まります。

ご自分のやるべき作業を見直して、ご自身の確定申告を円滑に適切に行えるようにしていきましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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