まだタイミングじゃないな、という方はぜひ毎月末の事務所通信メルマガ(無料)の登録をこちらから!

フリーランスは青色申告特別控除のためにまずマイナンバーカードを作ろう

電子申告のハードルは意外と低い
[chat face=”komatta_woman2.png” name=”” align=”left” border=”yellow” bg=”none”] 確定申告は年に一度だから、わざわざ電子申告しなくても紙の申告書で出しておけば十分よね [/chat]

そう思うフリーランスの方いらっしゃるかもしれません。

そのまま紙の申告書で提出し続けていると税金を計算するうえでは損をすることになります。

今のうちからe-taxを使って電子申告できるようになるためにまずマイナンバーカードを取得してほしい理由を解説します。

目次

基礎控除と青色申告特別控除の改正

所得税の確定申告には大きく分けて青色申告と白色申告があります。

キチンと複式簿記(記帳のルールのひとつです)に基づいた帳簿書類が整えられているなどの要件を満たしている場合に、税務署に申請をすると青色申告をすることができます。

 

この青色申告なにかいいことがあるかというと各種の優遇措置、いわば特典があります。

その特典の中で最も効果を実感できるのが青色申告特別控除です。

 

フリーランスの方のうち、青色申告特別控除(65万円or10万円)を受けている方は比較的多いかなと思います。

 

青色申告特別控除を受けることができると65万または10万円を所得金額から控除する(=差し引く)ことができます。

 

キチンと帳簿などをつけている場合にはその手間がある分、お得ポイントとして経費を認めますよ、と読み替えても良いでしょう。

 

つまりはフリーランスの方の場合、月に約5万円の経費を積み増せることを意味します。この特典を受けない理由はありませんよね?

 

青色申告特別控除以外にも控除できる項目のひとつとして基礎控除があります。

この基礎控除はすべての申告する方が控除できる項目で、こちらについては特に何か要件があるわけではありません。

税制改正による金額の変更

基礎控除と青色申告特別控除について税制改正(税金計算のルールの変更)がありました。

 

簡単に言うと金額が変更されることになります。

2019年分 2020年分以後
基礎控除 38万円 48万円
青色申告特別控除 65万円 55万円
合計 103万円 103万円

 

2019年分(令和元年分)の申告については2020年2月から3月に行うことになりますので、実質次の申告までは金額に変更がありません。

 

2020年分(令和2年分)の申告とはすなわち2021年2月から3月に行う申告ですから、現時点では次の次の申告となります。

 

トータルで見ると金額に変更はありません。基礎控除の金額が10万円上がって青色申告特別控除の金額が10万円下がります。

 

ただし、これはフリーランスの方が紙の申告書を提出している場合の話です。

電子申告しないと損する理由

もしフリーランスの方で青色申告特別控除を受けている方が、もう一段ステップを上げて電子申告ができると、事情が変わります。

 

現状では電子申告をすることについては税金計算上の有利不利はありませんでした。

 

わざわざ混んでいる時期に税務署に行かなくてもよい、紙の申告書を印刷しなくてもよいなどのメリットは電子申告にはありましたが、税金計算上は紙であろうと電子であろうと変わりません。

 

しかし、それでは電子申告をすることのメリットを感じにくいということもあり、電子申告をすることで得られる税金計算上のメリットが創設されました。

2020年分以後(紙提出) 2020年分以後(電子申告)
基礎控除 48万円 48万円
青色申告特別控除 55万円 65万円
合計 103万円 113万円

 

紙で提出していた申告書を電子申告するだけで青色申告特別控除が10万円上乗せとなります。

 

毎月で換算するとおよそ8,300円の経費が上積みできるのと同じ意味を持ちます。もちろん電子申告をするに際して手間はかかります。

 

それでもキャッシュアウト(現金の支出)がなく、税金計算上の有利になるのです。やらない手はないと思うのですがいかがでしょうか?

まずはマイナンバーカードの取得を

個人のフリーランスの方がご自分で電子申告するにはふたつ必要なモノがあります。

それはカードリーダ(ICカードの情報を読み取る機械)とマイナンバーカードです。(パソコンはあるものと想定しています)

現行ではID・パスワード方式による電子申告も可能ですが、暫定措置とされているため将来的な予想ができません。

 

この二つがあれば電子申告を開始する届け出や実際の電子申告も行うことができます。

 

機械については家電量販店やAmazonなどの通販サイトで簡単に取得できますが、マイナンバーカードはお住いの市区町村で手続きが必要です。

 

手続き自体にも通常1か月程度の期間が必要となりますので、確定申告時期になってバタバタしている時ではなく今のうちに取得しておかれることをオススメします。

 

来年、ご自分の確定申告を予行演習のつもりで電子申告で行い、2021年の申告に備えておくと、とても安心です。

 

マイナンバーカードの取得につきましては検索サイトにて「〇〇市(お住まいの地域) マイナンバーカード」と調べていただけますと、各市区町村のWebサイトで確認することができます。

まとめ

[box03 title=”本記事のまとめ”]
  1. 青色申告特別控除の金額が変わる
  2. 電子申告だと10万円加算
  3. 電子申告にはマイナンバーカードの取得を
[/box03]

年明け以後にやろうと思っても忘れている可能性が高いです。この記事を読んだらマイナンバーカードだけでもすぐに取得しましょう。

他の手続き関係(電子申告の開始)についてはマイナンバーカードがあればすぐに手続き可能ですので、なにはともあれマイナンバーカードをということです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

目次