相続税対策を考えるときには財産の分け方が重要になってきます。それは相続税が誰が何を相続するか、財産の分け方によって大きく変わるからでもあります。
そのため相続税対策において家族関係を前提にして考えますが、その親族関係に変化があったときに整理しておきたいことをお伝えします。
親族関係の変化とは
親族関係が変化することは多くないと思うかもしれませんが意外とあります。
例えば以下のようなことがあると関係性が変わったりするものです。
孫が生まれた、孫が成人した、子どもが結婚したり離婚したり。自分以外の親族が病気になったりといろいろと状況の変化はあります。
お孫さんが生まれるとそれこそ状況としては大きく変わりますし、大学にはいったりそれが医学部だと援助の依頼があるケースもあるでしょう。
こちらから援助したいという申し出をすることもあるかもしれません、教育資金の一括贈与を考えるタイミングでしょう。
中小企業の社長からすると後継者になるであろう子や場合によっては孫が会社に入ってくれたらやはりうれしさもひとしおと聞きます。
そういったときには後継者に社長業と一緒に株式の移転も考えるタイミングになりえます。
こうした親族関係の変化は予想できるものもあれば突然で予想できないことも多いです。
ポジティブな内容のものもあれば死別や病気などネガティブな内容のものもあり、すべてのことを見越して相続税対策をすることはできません。
その都度の対応になるケースもあるため、最初にいろいろと決めすぎると後で変更するのはおっくうになるというケースも見聞きしたことがあります。
ただ状況に応じて変更することは問題ありませんので柔軟に考えておきたいところです。
相続税対策を考えるときの順番
相続税対策を考えるときにまず節税から入るかたがいらっしゃいますが、少なくとも節税に関してはあとの位置づけのほうがよいです。
というのも節税ありきになってしまうと財産の分け方を考えるときにいびつになる可能性が高まるからです。
相続税の計算構造上、誰が何を相続するか、亡くなったタイミングでの判断になります。
相続税対策で相続税のことを考える順番はあとにしておいて、まずは分け方と納税資金の確保を念頭におくことをおすすめしています。
状況の変化に応じて贈与や遺言の書き直しも検討していただくのがよいです。
最近は子どもには平等にという考え方が広まっているため、不動産なども共有分割にしたいとおっしゃるケースもあります。
不動産を共有にするとあとで売却などを考えるときに意思統一がはかれない可能性もあり、最悪の場合は売却ができなくなるケースも実際のところみかけます。
共有にするしない、一人に不動産を寄せるのであればその分の手当てをどうするか、いろんな視点があり考え方がありますので、そのあたりは専門家の意見を参考に考えていただくのがおすすめです。
まとめ
分け方がきまり相続税の手当てもできそう、という段階で節税(主に贈与)を考えていくのがあとで「思っていたのと違った」ということが少ない印象です。
相続税の場面でも何を優先順位にするかはそれぞれですが、揉めない相続にするためにできることはあります。
どこを優先したいか、状況に合わせて考えが変わることも受け入れて対策を一つずつ考えていきましょう。