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相続税申告書に書面添付することの効果

相続税申告書に書面添付することの効果

私の事務所では相続税申告書には基本として書面添付を行っています。お客様からのヒアリング内容や判断材料などを記載しておくことで得られる効果があると考えているからです。

相続税申告書に書面添付することの効果についてお伝えしておきます。

目次

書面添付とは

書面添付とは相続税に限らず国税の申告書に添付することができる書面です。

申告書を作成するにあたっていろんな判断材料があり、またそれに基づく判断をして申告書に反映してきます。

申告書そのものは金額の羅列であり、計算構造や流れが書面になっているだけですので、どういう判断をしたか、という点は申告書だけでは読み取れません。

申告書を作るにあたってこういうことを参考にして判断し、それを反映したという情報をいわば申告書に捕捉する形で添付できるのが書面添付です。

税理士側にとっては申告書の記載内容の判断根拠などを記載して説明を細くできるメリットがあり、税務署側も適切な内容のものが添付されていると判断材料として有効とされています。

それ以上にお客様にとってもメリットがあると考えているので私は相続税申告書については特に、書面添付制度の活用により申告書の内容を補足しています。

書面添付の効果

書面添付の効果としてまず一番に取り上げられることが多いのは意見聴取の機会を得られるということです。

通常、書面添付がない申告書の場合は、申告書の内容の確認や疑義がある場合には税務署から税理士または納税者(税理士が付いていない人の場合)に税務署から連絡が入り税務調査に移行します。

書面添付をしている場合には基本的に意見聴取をするというのがルールになっていますので、その税務調査の前段階でワンクッションを入れることができます。

申告書提出→税務署内で審理→税務調査、というの基本の流れが、申告書提出→税務署内で審理→意見聴取→税務調査という流れに変わるということです。

また意見聴取は書面添付の内容に基づいて行われることになるのですが、意見聴取により税務署側の疑問が解消したり、質問事項がなくなると調査省略といって税務調査が省略されるケースもあります。

税務署としてもいわば「かゆい所に手が届いている」内容の書面添付であれば、意見聴取のみで済ませることができるため、お客様にとっても税務調査が省略されることが期待できそれは大きなメリットになるでしょう。

すべての意見聴取で税務調査が省略されるわけではないのですが、税務調査にならない可能性が高くなるのであれば積極的に活用したいところです。

意見聴取の機会が得られること、場合によっては税務調査が省略される可能性があること、というのは書面添付の大きな効果ですが私はもうひとつ大きな効果があると考えています。

それは書面添付がない申告書と比べた時に、意見聴取にも至らない適切な内容の申告書になる可能性が高まるということです。

書面添付の内容で税務署側の疑問や確認事項が網羅されており、署内の審理内容とも齟齬がない場合には意見聴取にもならないと考えられます。

相続税の申告の場合、申告書提出から3年以内に税務調査がある場合には連絡が入ることが多いのですが、それを過ぎた時には「税務調査はないです」という連絡はありません。

書面添付の内容が適切なものであれば意見聴取してもそれ以上のものは税務署側で得られませんので、意見聴取や税務調査の選定先から外される可能性があると、これは私の推測ではあるのですがそのように考えています。

まとめ

税務調査は相続人の方にとってはかなりの精神的負担になります。あれこれと疑いをかけられたりしますので心穏やかに過ごせるかというとなかなか難しいです。

そういった税務調査による負担がなくなる可能性を考えると、特に相続税の申告においては税務署対応に慣れがない方も多いので(中小企業の経営者だと会社の税務調査を経験してどういうものかイメージが付きやすいです)、書面添付の効果は大きいと私は考えています。

今後も納税者の方にとって安心していただける内容の申告書と書面添付を心がけて業務にあたっていきます。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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