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資金繰り対策としての予納制度の活用

資金繰り対策としての予納制度の活用

個人や法人の納税は基本的に申告期限までに一括で金銭で納付が原則になります。そのため、そのタイミングの納税は資金繰り的にも負担になるケースが多く、金額が多額だとやはり悩ましいです。

そういった場合には納税資金の借り入れをおすすめしていますが、もうひとつ分散するという効果があるもので予納制度をお伝えしておきます。

目次

納税を分散させることの効果

納税があるということは基本的に利益が出ている状態です。

均等割りなど利益に関係ない税金もありますが、利益があって課税されるという流れが基本となります。

勘違いしそうになるのは利益があるから現預金がある、という関係は成り立たないことがあるということです。

利益はあくまで損益計算の結果であり、実際の現預金が増えたことに対して課税されるわけではありません。

事業は決算日を過ぎても動き続けていますしお金も動き続けます。

また現在は現金取引ではなく掛け取引も多く、一定期日に支払ったり受け取ったりする信用取引があります。

これにより利益計算のタイミングとお金が増えるタイミングがズレることもあるため、納税があるからといって現預金が必ずしも手元にあるとは言えない状況も発生するわけです。

そのため、資金繰りを考えるときには納税資金は「あるはず」ではあるのですが、多額になるケースでは特に納税による資金流出を資金繰りに織り込んでおきたいところです。

例えば500の納税を一括で月末に支払う見込みなのであれば、この500について事前に借り入れをして分散することも資金繰り改善には効果的です。

利息分はかかりますが、後払いで分割という効果が生まれます。

では後払いで分割しかできないかというとそうではなく、予納制度というものがありますのでこちらも選択肢として検討してみてください。

予納制度の活用

予納制度は文字通り「予め(あらかじめ)納付」しておくことで、今後見込まれる納税について先に納付しておける制度です。

税理士としての利用を考えるポイントは、税務調査があったときに予納制度を利用すると延滞税をおさえられるメリットがあるというときでした。

なので実際には利用頻度が高い制度ではなかったのですが、ダイレクト予納という手続きが可能になったことで、資金繰りの改善にも使うことが想定しやすくなっています。

例えば前述の500の納税で考えてみましょう。

任意のタイミングまたは分割して予納することが可能で、事前の納税になるということがポイントです。

申告納税の期限が5月末だとすると、借り入れをして後払い的に分散する場合には100ずつだと、6月~10月まで100ずつ返済する形をとります。

予納制度は「あらかじめ」納めるわけですので前払い的に分散させることができます。

仮に12月末から5回に分けて100ずつを予納するのであれば、12月~4月で100×5回で予納することが可能です。

もし決算申告のタイミングで納税が450でした、となった場合には納めすぎた分については還付されますのでその点は安心です。

手続きそのものはオンラインで行うことができ、簡便ですので予納しておいたほうがよさそうな利益や資金繰りであれば検討してみてください。任意のタイミングで任意の金額で予納が可能です。

まとめ

手元資金がある程度あるけれど、資金繰り上は分散させたいという場合には予納制度も有効になります。

一時に資金が大きく減る状態はやはり事業運営の難易度を上げますし資金繰り的には避けたい状況ですので、選択肢に入れてみてください。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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