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同人作家の方向け 自宅事務所関係の経費のライン設定

同人作家の方向け 自宅事務所関係の経費のライン設定

自宅を仕事場として使用している同人作家の方は多いです。ひとりで仕事をしている場合もよく見聞きしますし、アシスタントの方がいる場合でもリモート対応できていると自宅とは別で仕事場を借りる必要もない、というかたも。

一方で自宅だと仕事ができないという場合もあってそういうときにはワークスペースを借りるのがよいでしょう。

今回は自宅を事務所、仕事場として使う場合の経費のライン設定について検討してみます。

目次

自宅事務所部分

仕事場として使う場所が一部屋ある場合をまずは考えてみます。

3LDKのご自宅で一部屋が仕事場として使っている、面積でいうと100㎡の全体面積で25㎡という場合。

この場合はわかりやすいですね、仕事場としてしかその一部屋を使っていないということであれば家賃のうち25%が経費の目安です。

これ以上の割合だと逆になぜこの割合なのか、という事の説明が必要になってくるでしょうし、これより少ない割合だと保守的な処理と言えます。いわゆる税務署からのツッコミが入りづらいのは保守的な処理です。

次に仕事場としてリビングを使っている場合を検討してみます。

仕事場という設定がない場合にはプライベート、いわば生活空間と同じ場所ということになります。

上記の面積100㎡の場合でリビングが30㎡とすると30%にしたいところですが、生活での利用もあります。

そのため30%部分に対してさらに仕事で使う時間を加味することになるでしょう。

ひと月で考えると30日として1日24時間ですから30日×24時間で720時間となります。このうち一日平均で5時間仕事をして30日だと150時間ですから、150/720=約20%です。

家賃が仮に15万円/月だとすると、150,000円×30%(リビングの分)×20%(仕事に使った時間の分)=9,000円/月が自宅事務所としての経費として計算できます。

意外と少ないように感じますね。30%×20%=6%なわけですので。

自己所有物件の場合は建物のうちどれくらいを事業で使っているかの割合で減価償却費を按分していきます。

こういう時によく聞かれるのが共用部分は仕事で使っていることにならないのかと。

来客があって出入りがある場合は可能性としてはありますが、それでも生活に必要な部分のほうが大きいでしょう。

そもそも来客がすくない、ほぼない、という仕事の場合には事業として共用部分が必要といえないので共用部分は生活で使う部分が大きいものとして考えておいたもらうのが無難です。

水道光熱費・通信費はどこまで?

続いて水道光熱費の事業の分があるかを見ていきます。

電気代、ガス代、水道代などが該当しますし通信費としてのインターネットの使用もあるでしょう。

電気代はまだ経費として計上するライン設定ができそうです。仕事場の面積按分をする方がいますが割とアバウトな処理でしょう。

というのも仕事場以外の生活としての電気使用のほうが大きいでしょうし、パソコンやペンタブレットの電気使用料、電灯、冷暖房ぐらいでしょうから、事業に使っている面積で計算するのは少し計算根拠としては甘いかもしれません。

一番良いのは仕事をしていない状態の生活利用100%の電気代と仕事を始めてからの電気代とを比べて増えている分は仕事で使ったから、と説明できるようにしておくのが根拠としてはたしかです。

それでも10~20%ぐらいになる可能性はもちろんありますし、自宅事務所としての家賃の按分パーセントよりも大きくなるということは現実問題としては考えづらいです。

そう考えるとガス代や水道代も圧倒的に生活に必要だから使っている、仕事をしなくてもガスや水道は使うでしょうから割合としては微々たるものになる可能性が高いです。

同人作家に絞ってお伝えしていますが、フリーランスで自宅事務所で仕事をしていたとしてもガス・水道については5~15%ぐらいと考えおくのがよいかなと。

反対に通信費は事業専用のWi-Fiやスマホ・パソコン、などがあればもちろん割合としては100%に近くなるでしょうし、プライベート利用と共有としても仕事として使う割合が高いと説明しやすい部分はあるでしょう。

半分以上は仕事のことでスマホを使っているということであれば50%超になるでしょうし、この辺りは個別の相談ということになりますが、高い場合は80%が事業の分とするケースもあります。

電気代:5~30%ぐらい

ガス代・水道代:5~15%ぐらい

通信費:30~80%ぐらい

が事業供用の割合としては説明できる範囲かなというのがわたし個人の実感です。

自宅事務所が賃貸契約上でOKかどうかも確認を

自己所有の自宅を事業用に使う際には契約上のネックはないでしょう。注意点があるとすれば住宅ローン控除で事業共用部分が10%超えないようにすることですね。

一方で賃貸の場合は自宅事務所、事業で使うことについて大丈夫かどうかは賃貸契約書や特約に記載がないか確認しておいたほうがよいです。

貸主の立場でみると居住用だから、という契約内容や賃料、消費税の話があるものです。

そもそも事業の用に供してはいけない、居住用のみという文言があるのであれば自宅事務所はもろに事業のために使っていることになります。

どういうきっかけでそれが漏れ伝わって貸主、大家、管理会社が知るところとなってトラブルに発展するかはわかりません。

このあたりは賃貸時の契約書の記載内容は制約力としてかなり高いですし、賃貸契約違反といわれると反論しづらいでしょう。

そのため賃貸契約の場合で自宅事務所利用が可能かどうかは契約書をよく確認しておいたほうがよいです。

思わぬトラブルを招かないためにもよく確認しておくことをおすすめします。

まとめ

自宅事務所の経費について整理をしてみました。個別の事情もあるかと思いますが想定している以上に経費として計上できる部分は多くないと考えられます。

事業で使っていることの説明と合理的な基準でもって経費のライン設定を見直しましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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