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漫画家・作家向け 懸賞等で賞金をもらったときの税金まわり

漫画家・作家向け 懸賞等で賞金をもらったときの税金まわり

漫画家や同人作家向けの懸賞というのは今でもよく見かけます。多いのが小説などを書く作家のかたの懸賞応募でしょうか。

作品が評価されて賞金をもらったときの税金周りを整理しておきます。

目次

所得の区分は一時所得

連載の仕事の場合は事業所得または雑所得の区分で所得計算をすることが想定されますし、その仕事の延長での賞金は事業所得や雑所得に該当すると考えられます。

もうすでにその原稿を書く仕事で生計を立てている場合ですね。

そういう状況とは別に普段はお勤めという方の場合で賞金をもらった、作家としてのデビューはこれから、というケースを想定します。

この場合には一時所得という所得の区分に該当すると考えられます。

一時所得は「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」(国税庁HPより抜粋)とされています。

例示の中にも「懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)」と記載があります。

既に業務として営んでいるものについての賞金→事業所得・雑所得

業務として営んでいないものについての賞金→一時所得

という理解で良いでしょう。

一時所得の計算は給与などの他の所得と合算して税金を計算しますが、税金がかかる部分の計算は給与などとは異なります。

一時所得の金額の計算方法

((賞金等の金額-必要経費)-50万円)×1/2=一時所得の金額

必要経費の部分は一旦考えずに仮に賞金が50万円であれば一時所得の金額はゼロ円ですから賞金には税金がかからないことになります。

50万円を超える場合にはその超えた部分の半分の金額が給与などの他の総合課税の対象となる所得と合算されて所得を構成し課税の対象となります。

源泉徴収されていたら

賞金は源泉徴収されていることが多いです。

この場合には賞金の額面ではなく所得税部分が天引きされます。仮に50万円の賞金だとすると10.21%ですから51,050円引かれて448,950円が手取りになります。

50万円以下なら確定申告の必要はないのですが源泉徴収されているのであれば確定申告をしたほうがよいです。

というのも源泉徴収されている税金部分が還付になる可能性が高いので少し手間かもしれませんが確定申告をしておくことをおすすめします。

他に賞金があってそちらも合わせて50万円を超えている場合にはそもそも所得税の確定申告が必要となります。

50万円を下回っていても源泉徴収されている場合は特に確定申告をして還付を受けたほうがよいのは一時所得のはなしですが、雑所得の場合も同様です。

ライターとして活動している場合には原稿料などの報酬から所得税が源泉徴収されます。

この場合は雑所得と一時所得の違いはありますが確定申告をすると還付になる可能性が高いです。

源泉徴収はそもそもいわゆる売上に対して税率を乗じて計算しますが、これはあくまで前払い的性質があるためで本来は売上-経費-控除=課税所得金額に対して税率を乗じて税金計算をします。

源泉徴収されているということはちょっと多めに前払いしているんだなぐらいの感覚を持っておいてもらうと分かりやすいです。

これは給与にかかる所得税でも同じことがいえますが、給与については年末調整という手続きでもって所得税の精算が行われます、確定申告でも同様です。

まとめ

作家のかたを例にしましたがイラストなどでも同じく懸賞金については業務として営んでいないものについては一時所得で計算します。

源泉徴収されている場合はちょっと多めに前払いしている、そのため確定申告したほうがいい、という認識でいるとよいでしょう。

それほど難しい内容ではないので国税庁の確定申告書等作成コーナーで年明けにご自身でトライしてみてください。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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