フリーランスのかたが経理、帳簿付けをする際に気を付けておいた方がいいポイントのひとつが「衣食住」に関するものです。
衣食住に関する支出と経費についてお伝えします。
衣食住にかかる支出と経費の関係
衣食住に関する支出については事業との関連があるものもあればないものもあります。ひとつずつみてみましょう。
衣食住の衣
まずは順番に着ているものの支出をみてみます。
仕事においてもプライベートにおいても服を着て生活していますが、洋服代が経費になるかどうか。
例えばテレビに出演したり衣装が必要な仕事の場合はその洋服代は事業に関連するものとして経費になりそうです。(プライベートと兼用ということであれば按分などを検討)
ほかにも作業着として専用の衣服を着ていることもあるでしょうし、いわゆる制服なんかもそうですね。
衣食住の食
続いて食べるもの、飲むものの支出をみます。
個人の程度の差や趣味嗜好の部分は多少ありますが、仕事をしていてもしていなくても人はモノを食べて栄養を補給します。
そのうえで飲食の支出が経費なるケースを考えてみると、事業の関係者(取引先など)との食事、会食なんかは交際費になるでしょう。
後は場所代としてのカフェ代なんかもそこで仕事をしていたということであれば経費に該当しそうです。
衣食住の住
最後に住むところに関する支出をみます。
コロナ禍もあって自宅で仕事をするケースも増えてきていますし、それが受け入れられやすくなっているかなと感じます。
賃料を払ってどこかに住むというのは仕事をしていてもしていなくても同じです。(持ち家の場合はローン返済などになります)
テナントを借りている場合は別ですが、事業に必要な部分として自宅の家賃を按分して計上することになるでしょう。
衣食住にかかる支出がチェックされるワケ
衣食住に関する支出をそれぞれ少し見てきましたが、これらの支出がチェックされるのは税務調査においてです。
税金は利益に対してかかってきますが、その利益の計算は売上と経費で行います。
つまり利益が適正かどうかを売上と経費の両面から確認することになり、経費のうちでも衣食住に関するものは重点的に確認される傾向です。
そしてこの衣食住に関する支出が重点的にみられる理由としては、前段でも少し触れましたが「事業をしていなくてもかかる支出」だからです。
事業をしていなくても服を着ますし、食事はとります、そして家に住んでいますよね。
事業を営まなくてもかかる支出、つまり家計費なんじゃないか?という視点でみられるということです。
これらの支出はもともとが家計費の性質を持っているものですから、それを経費に計上する理由がやはり重要です。
説明できる、ストーリーがある
説明できればいいのかというとちゃんと各種の資料が残っていてストーリーがあればという前提がつきます。
毎日交際費を計上していて果たしてそれがすべて事業に関係があるのか?と聞かれるとどうでしょうか。
家族との食事が経費に入っていてそれが事業専従者との食事だから交際費だ、と言われると違和感があります。
何事にも程度がありますし、家族との食事を経費にしても事業に何らもいい影響は及ぼしません。被服代や自宅家賃も同様です。
説明できてストーリーがあることが大前提ですが何事にも程度がありますし、事業を継続するにあたっての経費かどうかという点は気にかけておきたいところです。
まとめ
事業をうまく運営していきたいからきちんとしたい、ちゃんとしておきたいというご要望はありますし、残念ながらそう考えないかたもいます。
もしフリーランスとして事業を長く続けていくことをかんがえるのであればこの辺りの線引きはきちんとしておいた方がいいでしょうし、少し厳しめにみておくのがよいです。