こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
手許現金を少なくしましょう、キャッシュレス決済を推進しましょう、とはいっても手許現金が必要なビジネスもあります。
例えば飲食店などでは現金決済のみというお店も見かけることはあります。現金管理の方法を整理して管理していく方法をお伝えします。
おつりの準備は定額で
おつりの準備をお店が始まる前にやっておきたいところです。
ときおり昨日以前の売上をレジに入れっぱなしという状態をお見掛けしますが、毎日の売上金額の確認をしておきたいのと不用心でもありますので以下のようなおカネの動きをオススメしています。
営業開始前におつりを定額で準備
キリの良さそうなところで時間があれば在り高の確認
営業終了時点で現金売上金額と現金の在り高のチェック
現金売上を金庫等に保管、預入
という流れです。ひとつずつ解説していきます。
営業開始前におつりを定額で準備
おつりの金額として必要そうな金額が5万円なら5万円、3万円なら3万円を準備しておきます。単純に考えると現金売上を管理しやすいからです。
スタートのおつりを定額にして毎日レジ締めをした後に現金売上金額と現金の金額を照合しますので毎日スタートが違うと計算に手間がかかります。
仮に今日の現金売上が33万5648円だったとして、スタートの金額が3万円で固定であれば現金の売上金額は33万5648円-3万円=30万5648円と計算がしやすいです。
これが毎日おつりのスタート金額が違って端数があったりするとややこしくなります。
3万円であれば1,000円札〇枚、500円玉〇枚、100円玉〇枚、50円玉〇枚、10円〇玉みたいな感じで枚数を決めてスタートを定額にしておきましょう。
もし一円玉や五円玉を準備するのが手間だなと感じるのであれば価格構成そのもので端数が出ないようにしておくのもよいでしょう。店内飲食のみの飲食店であれば消費税率10%なので計算もしやすいです。
キリの良さそうなところで時間があれば在り高の確認
例えば昼営業と夜営業に営業時間を分けている場合などは昼営業がおわったときに一度差額が出ていないか在り高のチェックをしてみましょう。
そんなにズレることがあるのかと思うかもしれませんが現金のやり取りがあると差額が出てしまうこともあり得ることです。
おつりを渡す金額を間違えていて現金の売上金額と実際の現金の在り高との違いが発生することもあります。
どこでずれが生じたかを把握するのは大切ですので、キリのいいタイミングを見つけてチェックしておきましょう。
営業終了時点で現金売上金額と現金の在り高のチェック
これはその日の現金売上金額をチェックするとても大事な仕事です。いまは自動精算機のようなレジも増えてきて人間がお金のやり取りを介さないということも増えてきています。
そういう機械を導入することも一つ方法として検討しましょう。
まだまだむかしながらのレジスターを使っているところも多いかと思います。
毎日の現金売上金額(レジスターで集計された金額)と実際の現金の在り高を確認して差異がないかチェックをします。
ここでズレが生じていればどこかでミスがあったと考えるのが普通です。問題はこれをどこまで追及していくか。
この差異が発生したのかは多少なりとも追いかけて原因を探るようにしましょう。
起こるものは仕方ないのですが頻繁に起きているようだとお客様に迷惑をかけていることも充分考えられます。
また考えたくはありませんがおカネを触る人が限定的だとその人がおカネのやり取りが苦手(本人が自覚しているか否かは別)かもしれませんし、ネコババしている可能性もあるわけです。
税理士としてお客様に日々関わっていますと店舗での横領(おカネや商品)は時折見かけることがあります。
そういったことがないように善後策を練るためにも差異が発生している原因を探っていきましょう。
違う視点で見ると現金商売をしている場合には税務調査時にはほぼ間違いなくこの現金売上金額については確認されますので丁寧にやるに越したことはありません。(税務署的に見ると現金売上は売上除外(売上を抜く)をしやすいとみられます)
現金売上を金庫等に保管、預入
現金売上金額を確認で来たら店舗の金庫等に保管をしておきましょう。
店舗の責任者や店主、オーナーが自宅に持ち帰る場合もありますが、やはり不安だと思います。
金庫に保管する、金融機関の夜間金庫を利用する、現金回収サービス(大手警備会社などが提供しています)のように安全な方法で保管をするのが望ましいです。
夜中だと持って歩くのも心配かと思いますし、なるべく早いタイミングで金融機関に預け入れをしていただくようにおすすめしています。
日ごとの現金売上金額を入金しておくとあとで通帳を見たときに分かりやすいのは分かりやすいです。
現金売上の管理は大変
ここまで現金売上の管理についてみてきましたが大変だなと感じたかと思います。
一方でお店の資金繰りを考えると現金のほうが嬉しいという場合もあり、このあたりは悩ましいところです。
どのような方がお客様になるかということを考えたうえでクレジットカード決済やキャッシュレス決済を導入するかは考えていく必要があります。
新しいタイプの店舗だと反対にこれだけ現金を取り扱うことが大変なのでキャッシュレス決済のみ、クレジットカード決済のみ、というお店もチラホラ見かけます。
もしいまご自身で現金を取り扱う種類のビジネスをしている場合には現金をなくせないか、減らせないか、取り扱う手間と決済方法が増えることによる手数料などいろんな要素でなにを優先するか決めて取捨選択していきましょう。
すべてのことを同時に進めるというのはやはり困難ですので、一つずつ課題を見つけて整理していくことも大事です。
またクラウド会計ソフトを使っている場合にはそれに対応したレジスターも出てきていますので選択肢に入ります。
手許の現金が増えれば増えるほど毎回数えるのも大変ですので減らせないかどうかもポイントにおいて確認していきましょう。
まとめ
現金売上があると現金が多額になり管理も大変で手間がかかります。不正なども起きやすくなってしまいますのでルールを決めて安全に取り扱いできるようにしていくことが大事です。
手間がかかっているなと感じたら効率化のチャンスだと思って手順や決済方法を見直してみましょう。