こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
相続税の申告のお仕事をしておりますので、申告書に押印をいただく際に税務調査についてお伝えするようにしています。
税務署側でお仕事をしたことがないので確定的なことは言えませんが大まかな目安として、いつどんなタイミングで税務調査の連絡が来るか解説します。
申告期限、申告書提出、納税の流れ
相続税の申告書はお亡くなりになってから10ヵ月以内に提出することが必要です。
2020年6月現在、新型コロナウィルスの影響により申告期限について柔軟な対応がとられています。
例えば2020年6月18日にお亡くなりになった場合には、2021年4月18日が相続税の申告期限です。
この申告期限までに相続税の申告書を提出し、相続税の支払いがある場合には納税を済ませます。申告書の提出と納税は申告期限内であればタイミングがずれてもありません。
上記の新型コロナウィルスの影響により申告期限の延長を受ける際には、申告書を提出した日が納付期限となりますのでご注意ください。
申告書を郵送で提出する場合には、その通信日付印に表示された日付けが提出日となるのでこちらも併せて注意が必要です。
申告期限の個別延長の適用を受ける場合において、郵送で申告書を亭主する場合には郵便局持ち込み日を納税期限と考えておくと安心です。
申告書の提出先は、亡くなった方の亡くなった時点の住所地を管轄する税務署に提出をします。財産を受け取った方(相続人等)の住所地ではない点に注意が必要です。
納税は金銭一時納付といって金銭一括納付が原則となっています。税金を納めることについて現預金が少ない場合には、延納や物納といった納付法網もありますが、利息がかかるなどデメリットもありますので慎重な判断が必要です。
税務調査が来る大まかな目安
相続税の申告書を無事に提出することができて、納税も申告期限までにできればひとまず安心です。
ほかの税目と同じく、申告書を提出してからすぐに税務調査の連絡があるわけではなく、申告書の内容を税務署内でまずはチェックされます。
机上調査と呼ばれたりするそうですが、要は提出されたものをチェックして不備や確認事項などがないか確認をするわけです。
その間およそ1年ほどのケースが多いです。申告書を提出して1年ほどはなにも音沙汰がないですが、私の経験上では提出後1~2年の間に税務調査の連絡が入ることが大半です。
申告書を出した時点で覚えていることも、1年たち2年たつうちに忘れていくこともたくさんあります。記憶が鮮明なうちに、税務調査で確認されそうな事項については事前に確認をして記録を残しておくようにしています。
例えば手許現金の確認の状況や計上内容の詳細、名義財産がないかどうかのヒアリングと確認内容、生命保険料の支払者の確認など時がたつにつれて曖昧になりがちです。
記録を残しておかないと、相続人がご高齢の場合には申告書提出後、税務調査連絡までの間にお亡くなりになったり、認知症が進んでしまってお話が伺えないことも想定されます。
お伺いした内容は記録として残しておくと万が一税務調査になったときにも安心材料のひとつになります。
他税目の税務調査との違い(税理士向け)
他税目(法人税、所得税、消費税)の税務調査との違いを聞かれることがあります。
相続税の税務調査においては、事前の調べが相当についていることが多い印象です。
法人の税務調査の場合には元帳と原資資料をめくって不備を確認する作業から入ることが多いですが、相続税の場合にはあらかじめ相続人等の預金の動きを補足して調査対象先を選定していると感じることが多いです。
法人税や所得税の税務調査の場合には、事業継続の前提もあり指導で済む内容があります。
今回はいいけれど今後はここの部分は直しておいてくださいという指導にとどまることがありますが、相続税の場合は次回の税務調査の確認事項(いわゆる宿題)はありません。
まとめ
相続人の方には申告書を出しておおむね1~2年の間に税務調査がもしあれば連絡があります、とお伝えしています。
税務調査は無いにこしたことはないですが、もし万が一あったらと考えながら事前にお話をお伺いして記録を残すように努めています。