おはようございます、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
フリーランスの方からのご相談で多いのが売上と経費の計上についてです。線引きが難しく感じるかもしれませんが、逆にシンプルに考えましょう。
売上は大胆に
フリーランスの方で事業をしている方にとっては本業だけしか売上じゃない。もっというと収入じゃない、と思う方もいらっしゃるようです。
というのも例えば普段Webデザインと制作のお仕事をフリーランスとして行っているかたがいらっしゃるとして、この方をAさんとします。
Aさんにとって自分の仕事は?と聞かれるとWebデザインと制作ですと答えている状態です。
そんなAさんに飲食店を経営している友達Bさんからお店で配るチラシのデザインのお仕事が来ました。
普段はWeb関係の仕事をしているAさんにとっては自分の仕事の範囲としてWebじゃなくて紙もののお仕事です。
そんなとき、これは売上だろうかとかんがえるやもしれませんが、ご自身が手を動かして仕事をし報酬をいただいている時点でまず間違いないく収入です。
これを売上として計上するか、雑収入として計上するか(雑所得として計上するかは少し話が変わってきますので割愛)は大きな問題ではなく、収入であることに疑いはありません。
「いやコレは友達からの依頼だから収入じゃなくてお小遣いだ」と思う人はいるか?と問われると、実際のところいらっしゃると思います。
そしてこんなことを考える人がいます。現金でやりとりすればバレないんじゃないか?と。
現金でやり取りをしている場合、Aさん、Bさんともに不都合はありませんし別に問題はその時点ではありません。
どこで問題が生じるかというとBさんに税務調査があったときにAさん側で収入が計上されていない場合、問題になります。
Bさん側においては現金だろうと振込だろうと、飲食店の事業に関するチラシについての支出なので経費として計上します。事業に関係のある支出だからです。(ココは非常に重要)
Bさん側で経費として計上されているのに、Aさん側で収入として計上されていないと、どちらかが間違っている状態になります。
どこでバレるか、というのは大きな問題ではなく、隠していたことが問題です。
収入だと思わなかったというのは都合の良い考え方でしかないので、何かしら収入として計上しておかなければいけません。それが友達からの依頼であっても。
それゆえ、お仕事の対価として収入を得たのであれば適切に売り上げを計上しておく必要があります。迷った時は大胆に計上しましょう。
経費は慎重に
売上については実のところそれほど多くのご相談があるわけではなく、最も多いのは経費についてのご質問です。
コレは経費ですか?とストレートに聞いてこられる方いらっしゃるのですが、答えはシンプルです。
「事業に関係のある支出でしょうか?」というただ一点のみです。
例えば清掃業をしている方がいらっしゃったとして洗剤や掃除道具は事業に関係のあるものです。
一方でご自宅においても掃除はしておられるでしょうから同じ商品を使っている可能性もあるでしょう。
そんなとき、レシート一枚を出してこられてパッと見た限り日常生活のための支出か事業用に関係のある支出かどうかを判断するのはハッキリ言ってこちらでは難しいです。
何のための支出かというのは最終的には支出した人にしかわかりませんので、答えとしては「事業に関係のある支出であれば経費です」というお答えになります。
日常生活と事業用と分けてもらうのが望ましいですが混ざっている場合ももちろんあるでしょう。そういう時は家事按分というプライベートと事業の比率を合理的に計算して分ける方法があるのでその方法を使います。
何が問題かというと、「日常生活の支出だけれど経費になるなら入れたい」というひそかな希望がある場合です。
日常生活のための支出を事業に必要だったものとしてねじ込むことに他なりませんので、これは立派な脱税になります。
そんなことで?とか、たかだか数百円、数千円で?と思われるかもしれませんが金額の大小ではなく、事実の有無が問題になるのです。
経費か否かというのは見解の相違、考え方が違うことに起因することもありますが、なおさら経費の計上は慎重にしていただいたほうがよいです。
本当に事業に関係のある支出か?というのはご自分の胸に手を当てて考えてみるぐらい慎重になったほうがよいです。
まとめ
税金をなんとかしたいと考える方が取る手法の2大メジャーは、売上除外と経費の水増しです。
売上除外は売上を取り除いて収入を少なく見せることであり、経費の水増しは経費じゃないものを経費にする、もしくは架空の経費を計上することです。
売上は大胆に計上し、経費は慎重に計上しましょう。