フリーランスの方にとって、確定申告はある種の「成績表」とも言えます。確定申告の時期になって「まだ終わってない……」となっている方も多いかもしれません。
申告作業自体も大変なのに、今回はさらに一歩進んで「月次決算をやっておきましょう」というお話をしたいと思います。
月次決算は個人のためというより、事業者にとって必ず必要なものだと私は考えています。可能であれば、ぜひ取り組んでみてください。
月次決算の重要性
「月次決算なんて大げさでは?」と思うかもしれません。ただ、ここで考えてほしいのは「会計を月ごとに締めていく」ということです。
たとえばフリーランスの方であれば、月末に請求書を起こして経費を計算・精算する、それが月次決算の中身として考えられます。大げさに考えるのではなくシンプルに捉えましょう。
「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、これを毎月できているのと、確定申告の時期に12ヶ月分を一気にやるのとでは、まったく負担が違います。
毎月の月次を締めていると、売上として請求したものがいくらで、入金されたものがどうなっているかを都度確認できます。
経費の使い方についても、月次で確認することで、何にいくら使ったのか、多かったのか少なかったのか、そしてその結果として手元に残るお金がどれだけ増えたか・減ったかを把握できます。
フリーランスであっても事業者には変わりありません。
この部分をある程度タイムリーに管理できていないと、確定申告の時に「思ったより税金が高い」「思ったより利益が少ない」といった予期しない結果になりかねません。
毎月の月次を確認することで利益計算をおこない、どれだけ利益が出ているかを把握して次のアクションにつなげていく。それが事業を継続していく上でも大切な取り組みです。
具体的に何をすべきか
「よし、次から月次決算をやってみよう」となったら、具体的に何をすればよいでしょうか?大きく4つのポイントに整理してみます。
① 売上の請求書を発行する
まずは売上の請求書を発行しましょう。請求書を出す必要がない仕事であっても、請求書を作成して売掛金として計上しておくことが望ましいです。
売上を計上し、入金を確認するために請求書を発行して売掛金を記録しておくことは、その後の入金確認のために非常に重要なプロセスです。
② 前月以前の売掛金の入金確認をする
請求書の発行と同時に、先月以前に請求した売掛金が当月に入金されているかどうかを確認しましょう。売上関係はこの2つができていると、月次決算の精度がぐっと高まります。
③ 経費を入力・連携する
経費については、クレジットカードの支払いがあれば会計ソフトと連携しておくと便利に管理できます。
現金払いのものは、できれば毎日入力するのが理想ですが、難しい場合はレシートをスキャンしてまとめて取り込む方法も活用してみてください。
支払った内容を忘れると思い出す作業が時間ロスにつながることが多いため、できるだけリアルタイムで記録しておくことをおすすめします。
④ 預金口座の連携と貸借対照表(BS)の確認
銀行口座も会計ソフトと連携してデータを取り込んでおくだけでも、入金や支払い内容の整理がかなり楽になります。
そして最終的に、ぜひやっていただきたいのが貸借対照表(BS)の確認です。
損益計算書(利益を計算する書類)が整っていれば貸借対照表はチェックしなくてよい、と思っている方がいますが、それは誤解です。
実際には、BSをチェックできていないまま月次決算を終えているケースが意外と多く、入力ミスや異常値はBSの方に先に現れることが多いです。
入力したらBSを確認する癖を必ずつけましょう。残高がマイナスになっている科目がないか、異常な数字がないかをチェックするだけで、月次決算の精度が大きく高まります。
まとめ
月次決算と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、やることは「請求書の発行」「入金確認」「経費入力」「BSチェック」の4つです。
これを毎月こなしていくだけで、確定申告の負担は劇的に減り、事業の状況もリアルタイムで把握できるようになります。
「確定申告で毎年バタバタしている」という方は、ぜひ今月から月次決算を習慣にしてみてください。継続することが、フリーランスとして事業を安定させる一番の近道です。
