ひとりで仕事をしていると、本業以外の事務作業がじわじわ積み上がっていくものです。
請求書、メール対応、ファイル整理、スケジュール管理——気がつくと、そちらに使う時間と頭のリソースが結構大きいことに気が付きます。
AIを使うと、その負担が少し変わるかもしれません。
ただし、「とりあえずAIに投げる」ではなく、使い方を少し工夫するだけで、より自分の仕事にフィットした活用ができます。
今回は、ひとりで仕事をしているフリーランスや同人作家の方に向けて、AIとの上手な付き合い方を整理してみました。
まずは「壁打ち相手」として使ってみる
生成AIを使い始めるとき、いきなり「この作業を自動化してほしい」と丸投げするのは、実はあまりうまくいきません。
おすすめは、まず「相談相手」として使ってみることです。
たとえばこんなふうに話しかけてみてください。
「毎月末に請求書を送るとき、いつも手順がバラバラになってしまいます。どう整理すればよいでしょうか?」
すると、AIは「一般的な整理の方法」を提案してくれます。
それをそのまま使うのではなく、「自分の仕事に合うかどうか」を確認しながら、少しずつ自分のやり方に近づけていく——この往復のやりとりが、AIとの相性を上げるコツだと最近使い始めて試行錯誤する私は感じています。
また、AIに質問を返してもらうようにすると、自分の状況を整理しやすくなります。
「私の状況をもう少し詳しく教えてください、分からないことがあればこちらに聞いてから提案してください」と最初に伝えるだけでも変わります。
AIに頼みやすい事務作業
フリーランスの日常業務のなかで、AIが特に力を発揮しやすい場面があります。
- ファイルやフォルダの命名ルールを一緒に考える
- タスクの優先順位を整理してもらう
- 定型メールや請求書の文面の下書きを依頼する
- 毎月繰り返す作業の手順を言語化・マニュアル化してもらう
- WordPressやSNSの運用フローを整理する
- YouTube動画の概要欄やタイトル案を複数出してもらう
これらに共通するのは、「決まったパターンがある」「繰り返しが多い」という特徴です。こういった作業は、AIがもっとも得意とするところです。
また、対顧客の対外的な使い方よりも、自分の事業の内側——業務フロー整理、情報管理、コンテンツ下書きといった「対自分」の使い方のほうが、ミスや誤情報のリスクが少なく、始めやすいです。
AIが苦手な場面
ただしAIは万能ではありません。以下のような判断は、AIに任せきりにしないほうがよい場面です。
- 自分のビジネスの文脈や背景が必要な判断(この取引先とどう付き合うか、など)
- 税務・法務など専門知識が必要な判断
- 顧客や取引先との関係性が絡む対応
AIは「一般的にはこうです」とは答えられます。でも「あなたの場合はこうすべきです」と言えるかどうかは、別の話です。
事務の補助として使い、最終的な判断は自分が行う—というスタンスが、今のところ一番安全だと思っています。
もうひとつ、セキュリティについても触れておきます。顧客の氏名・連絡先・取引内容などの情報を、無料プランのAIサービスにそのまま貼り付けるのは避けたほうがよいです。
入力内容が学習データに使われる可能性のあるサービスもあるため、個人情報を含む業務への活用は慎重に。
自分で試すなら、この順番で
「使ってみたい」と思った方は、以下の順番で試してみてください。
- 「時間がかかっている作業」を一つ選ぶ(誰かに相談せず我流でやってきたことが特におすすめ)
- 「これをどう整理すればいいか」とAIに相談してみる
- AIに状況を質問してもらいながら、会話のなかで自分のやり方を言語化する
- 提案をもとに、自分の仕事に合う形にカスタマイズする
「自動化する」ではなく、「相談しながら自分のやり方を見つける」というイメージが近いと思います。
