税理士と契約、依頼をした後の上手な付き合い方について解説します。うまく情報を共有することで得られることは大きいです。
タイムリーな資料提供が関係の鍵
税理士との関係がうまくいっている方に共通するのは、資料をタイムリーに提供いただけるという点です。
特に記帳代行をしているケースでは、領収書・請求書・通帳のデータ・クレジットカードの明細など、記帳に必要な書類があります。
これらを共有いただけないと、こちらとしては手持ち無沙汰になってしまい、何もできない時間が生じてしまいます。
お忙しい方の場合、2〜3ヶ月に一度のご提供になるケースもありますが、顧問契約をしているにもかかわらず、期末・年度末に一括して資料を提供されるのは少しもったいない気がします。
経営管理の一環として会計情報を活用することはとても大切です。そういったことを検討したい業種であれば、なおさらタイムリーな資料提供をお勧めします。
資料をご提供いただき記帳が完了すれば、月次決算という形でさまざまな資料をお渡しすることができます。資金繰りの状況はもちろん、毎月の損益や資産・負債の状況なども把握できるようになります。
いわば「地図のない状態」で会社や事業の意思決定をするのは不安なはずです。
税理士にタイムリーに資料を提供し、進むべき道筋を考えるための地図を描いてもらうイメージを持っていただけると良いと思います。
連絡・相談のタイミングとツールをすり合わせる
うまく関係性が築けていない場合、「これを聞いていいのか」という遠慮が生まれることがあります。
私の事務所では、メールやLINEなど、お客様に合わせた連絡ツールをご用意しています。ご質問のタイミングはいつでも構わないとお伝えしています。
ネットで営業している関係上、漫画家・イラストレーター・同人作家関連のクリエイターのお客様が多く、比較的夜型の方も多いです。
そのため、深夜にお問い合わせメールが届いていたり、朝起きたら返信が来ていたりするのも普通のことで、それでも問題ないとお伝えしています。(こちらからの対応は翌朝以降となります)
一方、電話でのお問い合わせはお断りしています。1人で対応しているため、他の仕事中に対応できないケースがあるためです。
ちょっと聞きたいことがあれば、メールやチャットで入れていただけるとこちらとしても非常に助かります。
どのような形で問い合わせや相談をすればよいか、事前に税理士とすり合わせておくのが望ましいです。
記帳代行のみの場合はご質問が少ないケースが多いですが、相談対応がメインの場合には、相談のタイミングやツールについても最初に確認しておくと、より良い関係性を築いていけるでしょう。
事前相談がリスクマネジメントになる
税理士とより良い関係を続けられる方のもう一つの特徴として、事前にご相談いただけるという点があります。
「これを買ったら経費になりますか?」といった質問から、「こういうことをやりたいのですが」という相談まで、事前に教えていただける方がより的確に対応できます。
事後になってしまうと修正が効かないケースも多く、税務・会計においては後戻りができない場面も少なくありません。
「こういうことをしたい」「このタイミングで支払いがある」といった情報を事前に共有していただくことで、資金繰りへの影響も事前に把握できます。
地図のない状態で、自分が行きたい方向にだけ進もうとして、目の前にある落とし穴に気づかない—そういうことが実際に起こり得ます。
リスクマネジメントの観点からも、事前相談を強くお勧めしています。
税理士を変更したいと思ったときの手順
税理士を変更したいと思ったとき、まず解約してから次を探すのは大変です。決算・申告が終わったタイミングが一つの目安ではありますが、どのタイミングでも変更は可能です。
契約書があれば解約手続きについての記載があるケースもあります。なければ書面でお伝えするのも一つの方法です。
電話だとうやむやになりがちなので、改善してほしい点や解約の意思は書面で残しておく方が安心です。
次の税理士が決まってから前の税理士に解約を申し出るのが理想的です。間が空いてしまうと、その間の税務対応が宙に浮いた状態になることがあるからです。
税務調査の連絡がいつ来るかわかりませんし、引継ぎ書類や会社で保存すべき書類の確認なども、担当税理士がいる間にやっておいた方が安心です。
スポット相談で「お試し」もあり
税理士を変更したいと思ったとき、いきなり顧問契約を結ぶのではなく、まずスポット相談を利用するのもお勧めです。
スポット相談をしてみて「良さそうだ」と感じれば契約すればいいですし、「少し違うかも」と感じれば別の税理士を探すこともできます。
長期前提の顧問契約はそれなりにプレッシャーがあるものです。「お試し」のつもりでスポット相談から始めてみることで、ミスマッチを防ぎ、長く安心して付き合える税理士を見つけることができるでしょう。
まとめ
税理士との関係をより良くするためのポイントは、大きく分けて次の4つです。
- 資料はタイムリーに提供する
月次で会計情報を活用することで、経営の「地図」が手に入ります。期末にまとめて渡すのではなく、こまめな共有を心がけましょう。 - 連絡方法と相談のタイミングを最初にすり合わせる
税理士によってスタイルは異なります。メール・チャット・電話など、どの手段がベストか確認しておくことで、遠慮なく相談できる環境が整います。 - 事後報告ではなく事前相談を習慣にする
「これをやろうと思っているんですが」という一言が、税務上のリスクを未然に防ぎます。思い立ったら早めに相談しましょう。 - 変更するときは「次を決めてから」
税理士不在の期間はリスクです。次の候補をスポット相談で見極めてから、現在の税理士に解約を申し出るのがスムーズです。
税理士はただ税金を計算するだけの存在ではありません。経営の羅針盤として、上手に活用していただければ幸いです。
