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確定申告で後悔しないために 事前相談・対応が重要

確定申告の仕事をしていると、過去の申告書を見る機会も多くあります。現在の申告書を作成する作業ではあるのですが、過去の流れからさまざまな確認事項が出てきます。

その中には、申告書を作る際にはもう取り返しのつかない事項も含まれていますので、そのあたりについて少しお伝えしておきます。

目次

消費税の計算方法の選択判断

フリーランスの方で確定申告を自分で行っている場合、消費税の計算方法を事前に確認しておくことをお勧めしています。

インボイス制度が始まってから、消費税の計算方法は次の3つになりました。①原則方式、②簡易課税方式、③2割特例です。

これらを選択する場合、特に簡易課税方式については事前に届出をしておく必要があります。

原則方式はその名のとおりもともとの原則的な計算方法ですので、特別な計算方法として選択が必要なのは簡易課税方式と2割特例になります。

2割特例とは、インボイス制度(適格請求書等保存方式)の導入に伴い設けられた経過措置です。

これまで消費税の免税事業者だったものの、インボイス登録をするために課税事業者になった方を対象に、納付する消費税額を「売上にかかる消費税額の2割」に軽減できる特例です。

対象となるのは、「インボイス登録をきっかけに新たに課税事業者になった方」が基本的な要件です。

もともと課税売上高が1,000万円を超えていて課税事業者だった方や、課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になっていた方は、原則として対象外となりますので注意してください。

2割特例は申告書を作成する際にチェックを入れるだけで適用できますが、簡易課税方式については事前の届出が必要です。

届出のタイミングは、原則として「簡易課税方式を適用したい事業年度の前事業年度の末日まで」というルールがあります。

具体的な例で説明すると、2025年分の確定申告をいま行っているわけですが、2025年分の消費税を簡易課税方式で計算したい場合は、2024年中に簡易課税選択届出書を提出しておく必要があります。

2割特例が使える場合はその限りではありませんが、簡易課税方式を使いたいなら、2024年中に届出を済ませておかなければならなかったということです。

消費税に関する届出は、一度タイミングを逃すと取り返しがつかないケースが多いため、事前によく確認し、できれば税理士などへの事前相談をお勧めします。

青色申告の選択

青色申告の選択も同様に、届出が必要な事項です。例えば、漫画家や同人作家の方で、会社勤めをしながら副業として作品を制作・販売しているケースがあると思います。

副業として申告している間は雑所得もしくは白色申告で行っていることもあるでしょう。いざ本業にしようと開業届を提出した際、青色申告の届出を適切なタイミングで出せていないと、青色申告を選択することができません。

具体例で考えてみます。2024年から事業を開始していて2025年分から青色申告を選択しようとする場合、2025年3月15日までに青色申告承認申請書を提出しておく必要があります。これを過ぎると、基本的に2025年分は青色申告ができません。

一方、2024年までは雑所得として申告していて、2025年の途中に勤めを辞めて本業として開業届を提出したという場合には、「開業日から2ヶ月以内」に青色申告承認申請書を提出することで、特例として開業したタイミングから青色申告を選択できます。

この点も取り返しのつかない事項ですので、事前の確認が非常に重要です。

なお、消費税の計算方法・青色申告のどちらについても、選択の有無による損得がはっきり出るケースが多いです。

簡易課税方式を選んでおいた方が有利だったにもかかわらず、原則方式でしか計算できないパターンは意外と多く見受けられます。

ご自身で申告している場合でも、過去分を遡って計算方式を変更することはできませんので、やはり事前に対応・判断しておくことが最善です。

青色申告についても、損得は明確です。複式簿記という帳簿の要件をクリアできれば、青色申告特別控除として電子申告時に65万円を所得から控除することができます。

仮に所得税率が10%であれば6万5千円の節税効果があり、所得税率が20%の方であれば65万円×20%=13万円の所得税の差が生じます。

さらに住民税の課税対象金額にも影響しますので、金額的にも非常に大きく、後から取り返しのつかない内容になります。ぜひ事前に相談のうえ、適切に対応しておきましょう。

まとめ

確定申告において「後から取り返しがつかない」手続きの代表格が、消費税の計算方法の選択(特に簡易課税方式の届出)と、青色申告承認申請書の提出です。

どちらも期限内に届出をしておかなければ、たとえ有利な方式であっても適用することができません。金額的な影響も大きく、場合によっては年間数十万円単位の差が出ることもあります。

「今年こそ見直したい」と思っているなら、次の申告に向けた今このタイミングが動き出す絶好の機会です。不安な方はぜひ早めに税理士へ相談することをお勧めします。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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