漫画家・同人作家として、いわゆる作家業だけで身を立てて生活していくことのハードルは高いことが多いです。多くの作家業の方は本業を続けながら副業で作家業を行い、ある程度の見込みができた時に開業して本業に切り替えるパターンをよく見かけます。
この記事では、副業として漫画家・同人作家活動をする場合の税務申告、確定申告関係の処理についてのおすすめをお伝えします。
副業の申告をどうするか
副業として漫画家・同人作家の活動をしている方は多い印象です。いきなり本業にする方も中にはいらっしゃいますが、自分の作品が評価されて売れてくるまでは副業で行う、ということをリスク管理の一環として行っているようです。
他の独立している個人事業主の方でも似たような形になるケースが多いですが、作家業の方はそれが顕著に見えます。
もちろんその状態が悪いということは全くなく、本業にする前は会社員として勤めながら副業で漫画を描くことも良いと私は個人的には考えています。
確定申告の必要性
一方で、副業であっても売上があるのであれば確定申告をしておく必要がありますし、場合によっては還付になるケースも多いです(原稿料・印税が源泉徴収されるため)。
副業であっても確定申告が必要、ということは覚えておいていただきたいです。
重要なポイント:
- 副業の利益が20万円以下の場合には所得税の確定申告は不要
- ただし、住民税の申告は必要(住民税には雑所得20万円の基準がないため)
確定申告をするときに悩ましいのが申告のやり方です。漫画家の方は特にその傾向が強いのですが、事務仕事がとても苦手な方だとかなり悩まれることがあります。
副業という認識があり、帳簿もつけていないということであれば、雑所得で申告をしておくのがおすすめです。
金額の目安はあるにはあるのですが、前提として事業所得として申告「できる」という内容であり、帳簿付けをしていないのであれば事業所得での申告はできないと考えてもらったほうがよいです。
事業所得のネック
事業所得での申告は金額目安はあるものの、帳簿を付けておくことが大前提となっています。事業として申告をするなら帳簿があるのが前提になるので、その部分がネックに感じる方が非常に多いです。
事業所得での申告は青色申告の場合は特にメリットが多いですが、帳簿をきちんとつけていることがある意味で要件になっていると言えます。
帳簿付けに対して「めんどくさい」と感じる作家の方は非常に多いですから、その部分がネックになるなら雑所得で副業の間は申告しておくのが、多くの作家の方のサポートをしている私のおすすめです。
本業への転換時のタイミング
本業の会社員などを退職して漫画一本でやっていくときに、開業届と青色申告の承認申請をしておくのがシンプルでよいです。
副業で雑所得の場合には帳簿付けが不要なので、確定申告そのものはシンプルに完結できます。これは大きなメリットです。
私は漫画家・同人作家の方はご自身の時間を絵を描く時間に集中したほうが良いと考えていますし、確定申告関係で時間を取られて煩わしく感じるのであれば、その部分をこちらで担ったほうがよいという考えでサービス提供をしています。
ご自身が帳簿付けに対してめんどくささを感じないのであれば事業所得で申告をすればよいです。確定申告関係のことが憂鬱なのであれば、副業の間は雑所得でシンプルに申告をしておくのが時間節約においても有用ですので検討してみてください。
まとめ
副業で漫画家をする場合でも確定申告は必要です。帳簿付けが苦手、やり方がわからない、とりあえず申告ができている状態を目指したい、という場合には雑所得での申告も検討してみてください。
副業漫画家・同人作家の税務申告ポイント
申告の必要性
- 副業でも売上があれば確定申告が必要
- 利益20万円以下でも住民税申告は必要
- 源泉徴収されている場合は還付の可能性もある
申告方法の選択
- 帳簿をつけていない場合:雑所得での申告がおすすめ
- 事業所得での申告:帳簿付けが必須条件
- 副業期間中は雑所得でシンプルに処理
本業転換のタイミング
- 会社員を退職して漫画一本にする際に開業届と青色申告承認申請
- 作家は創作時間を優先し、事務作業はシンプルに
最終的な判断基準
- 帳簿付けが苦でなければ事業所得
- 事務作業を最小限にしたければ雑所得
- 専門家に相談・依頼することも有効な選択肢