中小企業にとって融資を受ける、借り入れをすることは比較的多いです。赤字よりもお金がない状態のほうが倒産の危機になりやすいからです。
借り入れをしはじめてからそのあと、いかにステップアップしていくかというのを意識して融資の申し込みを検討してみましょう。
融資のステップアップとは
融資を受ける際にはある程度金融機関の目安があります。
いきなり創業したての会社や小規模な会社が都市銀行から融資を受けることはまずできません。
融資を受ける金融機関をステップアップで必要に応じて段階的に変わっていくことを意識しながら自社にとって適切な金融機関との付き合いをしていきましょう。
創業から5年目ぐらいまでは日本政策金融金庫と地元の信用金庫との付き合いをメインに考えるのがよいです。
日本政策金融公庫は事業者への融資のみを目的としている政府系の金融機関で、中小規模の事業者向けの融資を多く取り扱っています。
創業融資もそうですし、そのあとの事業融資についても積極的に行っているため、中小規模の事業者にとっては最も関わる機会が多い金融機関の一つです。
信用金庫はもともとが地域の事業を金融面で支えるというのが目的のひとつになっており、その活動地域も制限されています。
いわば地域密着、地元の金融機関としての役割を担っており、信用金庫の特色などもあるのですが基本的に中小企業の融資には積極的な姿勢のところが多いと言われています。
スーツなどでバイクに乗って外回りをしている金融機関の担当者とおぼしき人を見かけることもあるかと思いますが、信用金庫の担当者というケースは実際に多いです。
事業者のところに出向いてお困りごとをきき、融資など適切な支援につなげていくことを外回りの担当者は行っています。
社長や事業主にとっては一番身近な金融機関ともいえるでしょう。
5~10年目ぐらいまでで、売上規模も1億円を超えてくるようになれば資金需要、融資を受ける金額も増えてくることがあります。
そうした場合には地元の金融機関で〇〇銀行などとの付き合いも増やしていくのがよいでしょう。
京都であれば京都銀行、滋賀であれば滋賀銀行、奈良であれば南都銀行などその都市の名前がついた銀行です。
いわゆる地方銀行と呼ばれる金融機関で信用金庫よりも取り扱う融資金額の規模が基本的に大きいです。
さらに規模が大きくなってきたら、政府系の金融機関のひとつである商工中金との付き合いを検討してみましょう。
日本政策金融公庫よりも融資を受けるのが難しく、規模も大きくなるのでランクとしてはひとつ上、融資を受けられると箔がついた状態とも言われます。
どうやって付き合い始めるのがよいか
金融機関との付き合いの始め方は融資がスタートのことが多いですがどういう形で最初にかかわるのがよいか分からないという社長もいます。
例えば会社に訪問してくる金融機関の担当者がいる場合には門前払いせずに付き合いがなければあってみるのもひとつです。
基本的に付き合いを始めたいと思って訪問してきているはずですから、話のとっかかりが融資以外でも顔見知りになれるのは良いことだと思います。
また知り合いの経営者の紹介を受けるのも付き合いを始めやすいです。
なにも情報がない状態でいきなり支店の窓口に行ってもなかなか話としてはスタートしづらい面があります。
社長からの紹介であれば担当者も良い印象で話を聞いてくれることが多いはずです。
いま付き合っている顧問税理士がいるのであれば税理士から担当者につないでもらうのもよいでしょう。
税理士は顧問先を通して金融機関の担当者と知り合いになっていることも多いです。
支店が違うこともありますが、そういう場合でも担当者をつないでくれたりしますし、地域の金融機関は税理士との付き合いを大事にする傾向があります。
いきなり支店の窓口にいくよりかは何かしらの「ツテ」があったほうが金融機関の担当者も話がしやすいので、付き合いを始めたい金融機関があれば周囲に相談してみましょう。
まとめ
融資のステップアップについてお伝えしてきました。新たに金融機関と取引を開始するときにはアピールポイントがあるとよりよいですし材料も欲しいところです。
そのためにはある程度タイムリーに月次決算を進めることができて試算表などを出せると感触も変わってくるでしょう。資金繰り表があるとより感度としては良くなります。