資金繰りを改善したい、安定させたい、そういうご要望は中小企業だとやはりまだまだ多いです。利益を出して借り入れしましょうというのはオーソドックスではあるのですがやはり効果的なことも多いです。
逆にこういうことをすると資金繰り安定から遠ざかるということもありますので3つピックアップしてみます。
ノンバンク系からお金を借りる
お金を借りることができるとそれは事業運営上よいことなのですが相手が大事です。
現状、信用金庫や地銀などでも事業を見て、財務状況を判断したうえで融資の審査を行っていますし、事業性評価も進んできています。
ある意味で当然と言えば当然なのですが金融機関は返せそう(将来的にでも利益がでそう)、返すあてがある(最終的に担保処分も検討できる)という場合しか融資できません。
そういった融資にあたっての審査に耐えられる事業内容になっているかどうかフィルターがかかるわけです。
ノンバンク系の場合はそういった手続きが緩く、場合によっては審査もほぼないことがあります。
返せる当てがあるのであれば良いですが資金繰り安定のために目先の借りやすいけど利息がかなり高いところで借りてしまうと後々大変です。
そうでなくても資金繰りに余裕がないケースもあるでしょうし、金融機関のように信用保証協会はついていませんので返済が滞ると苛烈な取り立てや差し押さえが待っています。
実際、私も以前のお客様のところでノンバンク系でお金を借りていたところがありましたが事業を復活させることができませんでした。
一般的な金融機関からの評価もかなり落ちてしまうのでノンバンク系からの借り入れは行わないことをおすすめします。
借入を極度に嫌う
利益がでていて一見すると融資審査も問題なく通りそうな財務内容の会社でも、社長がとにかく借り入れを嫌っているケースがあります。
利益がでているけれど資金繰りが苦しいみたいなことは、仕入れや経費が先行する事業ですと比較的よく見かけます。
卸売りや小売り、製造業など支払いが先行するということはよくあるわけです。
支払いが先行して売上の回収も売掛金や手形でとなるとかなり遅れます。その間も事業は運営するわけですからお金が出ていくほうが多いと。
回収も滞りなく行えればよいですが何かひとつでもボタンの掛け違いがあると一気に資金繰りがいわゆる詰んでしまう状況というのはあり得ます。
そういった状況でも借入を断固したくないみたいな社長もいて、せっかく利益がでているのに資金繰りがうまくいかないせいで黒字倒産ということも過去には見たことがあります。
金融機関は利益がでているのであれば融資には前向きに取り組んでくれることが多い印象です。
少なくとも何期も赤字のところよりかは運転資金の借り入れをしてもらってお金が回ればしっかり返せるだろうと考えるでしょう。
設備投資の際には融資を検討してもらうことが多いですが運転資金は躊躇する社長も多いです。
手元資金を厚くするために借入をしたいというのは融資の目的の一つになり得ますので、忌避せず一度検討してみましょう。
手元資金があることの安心料として利息を考えてみてください。
ファクタリングを使う
ファクタリングは最近よく見かける資金調達方法の一つですが、売掛債権を要は前倒しで売却しているのと同じです。
一か月後に入金になるものを買い取ってもらうことで手元資金を増やそうとするものですがかなり利息的な部分としての手数料が高いです。
本来受け取る期日よりも前倒しで受け取っているわけですので手数料がかかります。
このことをあまり意識していないケースがあるのと、手数料はかなり高くなるケースもあり10%前後は普通によく見かけます。
仮に手数料率が10%だとすると一割引きでモノを売っているのと同じ状態です。
売掛債権の回収に時間がかかるとしても同じ金額の融資を受ける際の利息と比べるとかなり高額なことがわかるでしょう。
何かの要因で取引先にファクタリングが判明すると取引そのものを中止検討される可能性もあります。
ファクタリングを使うのであれば運転資金の融資を受けることを考えてみてください。
前段でも触れたのですが借入を忌避する社長に限って資金繰りが苦しく、安定しないにもかかわらずファクタリングはやっていることがありました。
まとめ
金融機関と上手にお付き合いして毎月・毎週の資金繰りで奔走する日々を減らしてもらいたいと私は考えています。
そのためにこれはやらないほうがいいことということで3つ取り上げてみました。後戻りできなくなる可能性もあるので資金繰りの改善・安定のために何ができるか改めて検討してみてください。