相続関連の期限管理、スケジュールを把握しておかないと慌ててしまうこともあり得ます。スケジュールを改めて必要なことを逆算してみるとよいです。
スケジュールの把握
亡くなってからのタイミングで見ていきます。
亡くなったかたに年金や給与、事業などでも所得がある場合には亡くなってから4カ月以内に準確定申告を行う必要があります。(亡くなったタイミングによっては期限が短くなるケースもあります)
この場合、還付申告になっているときには5年以内の申告でもよいので、落ち着いてからの申告でも問題ありません。
相続税申告がある場合には相続税申告のタイミングで同時に提出することも多いです。
所得税の申告内容が納付になっている場合には納税と申告書の提出はやはり4カ月以内ですので普段から申告をして納税がある場合には申告期限について把握しておきましょう。
同じような期限のもので亡くなってから4カ月以内に行う必要があるのは相続放棄の手続きです。
亡くなった方に借り入れが多い場合などは検討すべき手続きですが、家庭裁判所に申し出る必要がありますのでより期限には注意が必要です。
銀行や証券会社の手続きについては具体的な期限はありませんが、実際の引継ぎは手続きをしないと手元に資金等が入りませんので、分け方が決まり次第手続きしておきましょう。
登記手続きについては法改正があり、以前は登記の期限はありませんでしたが、改正後はその不動産の所有を知った日から3年以内に登記をする義務が発生しています。
相続税申告は亡くなってから10カ月以内でこれは財産が分けれていても分けれていなくても期限としては同じです。
納税も申告書の提出もこの期限までに行う必要があり、タイミングはズレてもよいですのでその期限までにいずれも行う必要があります。
相続税申告がある場合の目安
相続税申告がある場合には分け方が決まっているかどうかで相続税負担が大きく違うケースがあります。
揉め事がないという場合には遺産分割が確定している状態で申告をしておくのが望ましいでしょう。
また、銀行や証券会社の金融資産関係も分けれていることが解約、引継ぎには必要になってきます。
そのため誰がどの財産を相続するか、分け方が決まっている=遺産分割が確定している状態を目標にはしておきたいです。
申告期限から逆算すると一カ月前には遺産分割協議が整っていて、書類がそろっている状態が望ましいです。
納税資金について遺産から考えている場合には金融機関の解約手続きにも時間を要することから、さらに1カ月ほどは余裕を見ておくほうが慌てなくて済むかと思います。
それを加味すると申告期限前2カ月ごろには分け方が決まっている状態を考えておくとよいでしょう。
税理士に申告も含めて相続のご相談をする場合には四十九日法要が明けてからのタイミングが多いです。
遺言がある場合には基本的にその遺言に沿って財産の分け方が決まっていて手続きを行いますので上記のスケジュールよりも早い段階で遺産が手元に入り申告書の準備も整います。
私の事務所では相続税申告がある場合には四十九日法要後の早い段階でご相談いただくようにお願いしております。
申告期限ぎりぎりですと対応が難しいケースや検討すべき内容について十分な時間が取れないと判断した場合にはお断りすることもあるからです。
明らかに相続税の申告が必要という場合には生前から相続税対策、相続対策もご検討いただけるとより安心かと思います。
不動産や中小企業の株式が遺産にある場合には財産評価といって、相続税計算上の価額計算をする必要が出てきます。
財産評価には各種の資料が必要なのと現地確認や検討事項が増える傾向があるため、不動産が多い場合や借地があるなど権利関係が複雑な場合も評価に時間を要することになります。
金融機関の残高証明書の取得もいまは時間を要することが多く、証券会社によっては1カ月ほど時間がかかることもあるので、申告に必要な書類を集めていただく時間も加味していただけると税理士側も助かります。
まとめ
亡くなってからあっという間でしたという親族の方のお話はよく見聞きします。相続税申告がある場合には特にスケジュール管理が大事になってきますし、分け方が決まっているかどうかで相続税の内容も変わってきます。
ご家族が亡くなっていますので悼む気持ちももちろん大事です。亡くなってから二か月後ぐらいを目途に少しずつ動き出してもらえると時間的な余裕はあるかと思いますので頭の片隅に留めておいていただければと思います。