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漫画家・同人作家向け 経費のご相談でよくあるもの

漫画家・同人作家向け 経費のご相談でよくあるもの

確定申告も終わり、個人事業主の方も一息つかれた方も多いのではないでしょうか。今回は確定申告の際に漫画家・同人作家の方からよくご質問いただいた経費に関するお話をしておきたいと思います。

目次

資料や取材関係

漫画家や同人作家の方、同人ゲームクリエイターの方ですと、経費の割合がそれほど高くないケースが多いです。

私のお客様の平均で見ても、外注費がない方の場合は売り上げの2割から3割程度のかたが最も多いように見えます。

事業の内容や外注費の割合等にもよるのですが、経費の割合も高すぎると利益が少ないことを意味しますので、ある程度気にしておいた方が良いです。

いわゆる平均から大きく上に外れると税務調査先の選定対象にもなりやすいと考えられます。

作家業のかた特有の経費の1つとして取材や資料にかかる経費はどういうものがあるかと質問をいただくことがあります。

これらについては作品作りに必要だったという前提があるものの、基本的には経費になります。

資料費や取材費の形で計上することになります。

例えば二次創作などの場合には一次創作にあたる作品の資料が必要になるでしょうし、ロケハンと言って、外の施設や風景などが必要であれば、撮影してくることも場合によってはあるでしょう。

また資料についても、書籍や漫画、ゲーム、映像コンテンツなど、必要に応じて作品作りに必要なものであれば、資料費として計上して差し支えないと考えられます。

ただご自身のプライベートで楽しむものとの境目が曖昧ななっているものも資料費については多い印象ですので、ある程度保守的に見ていた方が安全とは言えます。

税務申告においては申告書を出した時点では受理した状態でしかありませんので、それが経費として認められるかどうかは、税務調査を通じてしか確認ができないというのは現状あります。

やはり作品制作に必要だったという大前提がまずありますので、そこの部分が説明できるようにしておきたいです。

固定資産や家賃関係

続いて固定資産関係についてや家賃のお話をしておきます。

個人事業主の場合は、特に衣食住、着るもの、食べるもの、住む場所に関する資料についてはプライベートと混在していることが多いです。

衣食住に関する支出が税務調査で特にチェックされる理由は、仕事をしていなくてもかかる支出だからです。

なのでより仕事で必要だったという説明ができるようにしておきたいのです。

例えば家賃で言うと自宅兼事務所であるのであれば、自宅の部分がもちろん必要になります。

これが8~9割が事業となるとどこで生活してどれぐらいの時間を使っているのかという部分がポイントになるわけです。

仕事場で寝ていても寝ている間は仕事をしていませんので、割合としては自宅の部分を考慮する必要が出てきます。

自宅事務所の家賃については居住用の部分を反映する、その部分を按分計上することを忘れないようにしましょう。

固定資産関係で時々聞かれるのが車やバイクにかかる費用です。これらも事業に必要であるものが経費というのが大前提ですので、車やバイクをどういうふうに事業に必要として判断したのかという説明が重要です。

よくご相談があるのは取材のために使っているので、車にかかる費用が経費にならないかというご相談です。

もちろん取材に必要であれば使っていただくのは大丈夫なのですが問題はその割合です。

3ヶ月に1度取材に行くだけだと、経費の割合としては5%もない可能性があります。

車に関する経費で最も確実な按分方法はトータルの月間走行距離のうち取材等のための走行郷里の割合で計算する方法です。

月間200キロの走行距離で取材がうち10キロなのであれば10/200=5%の割合という計算になります。

取材の内容が作品にどう反映されているのかは税務調査で細かく確認される内容の一つですので「なんとなく」経費にしていると指摘事項になりえます。

こうなると手間だけかかって、経費としての意味合いとしてはかなり薄くなるでしょう。

これは作家業の方に限らずですが、法人にすると車両が経費になると考えている人も多いのですが、そもそもその事業に車が必要かどうかという部分が前提として抜けています。

そこをしっかりと説明できるのであれば、車やバイクも事業用の経費として計上することも問題ないでしょう。

まとめ

経費に関するご相談でお伝えしているのは事業にどのように必要だったかを説明できるか、という部分です。

その事業の内容によって経費の内容が異なるのはむしろ当然と言えば当然ですのでほかの事業で経費だったから作家業でも経費かどうかは別の問題です。

大前提として事業を運営する事業を継続する上に必要だということが経費計上には求められますので、その説明ができないということであれば、経費としては難しいと考えておいた方が良いです。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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