相続税を計算する上での年金についての取り扱いについて整理をしておきたいと思います。公的年金もあれば年金保険による受給も契約があれば課税がありますので、区別して考えておきましょう。
公的年金の取扱い
相続税を計算する際には、亡くなった方の年金を考慮することがあります。
1つが未支給年金です。未支給年金については亡くなったタイミングと年金の受給のタイミングによって発生することがあります。
基本的には配偶者や子供などその亡くなった方の生計で生活をしていた方、生計が一である方などについては、未支給年金を受け取ることができます。
この場合は、未支給年金は亡くなった方の財産ではなく相続した方、受け取った方の財産となり、一時所得の対象となりますので、相続税の計算から外して計算をします。
これがまず公的年金の1つ目、未支給年金の取り扱いです。
2つ目が遺族年金の取り扱いです。こちらについては所得税も相続税も非課税の取り扱い規定です。
特に配偶者が受け取る遺族年金については非課税であり、所得税も課税されない対象に今のところなっていますので、相続財産に含めずに計算するようにしましょう。
いずれの手続きもお亡くなりになったことがわかる書類と年金基礎番号などを持って年金事務所で手続きを行うことで受け取りの手続きが完了します。
亡くなったことを通知すると、年金の手続きとともにその年の亡くなるまでの年金について源泉徴収票の発行の手続きも入りますので、準確定申告が必要な場合には年金の源泉徴収票で準確定申告用のものを使うようにしてください。
民間の年金保険の取り扱い
民間の年金保険についてはタイプにもよるのですが、基本的に課税の対象となります。
亡くなった方が自分で保険料を支払ってご自身に保険をかけており年金保険を受け取っている場合にはその残りの分について課税対象です。
イメージとしては1,000万円の年金保険で5年にわたり200万円ずつ受け取れる契約で2年目で亡くなったら、残りの3年分が課税対象という形です。
お亡くなりになった時点の価格を考慮して計算することになるのですが、基本的に保険会社に相続税の申告が必要なので相続税計算用の証明書、残高証明書等を請求することになります。
亡くなった時点の解約返戻金の計算をしてほしい旨を申し出ると伝わりやすいです。
計算の仕方としてはなくなる受け取る方がの合計の金額について一定割上して計算する形になるのですが、この辺は保険会社によって計算されるされますので、その書類でもって計上することになります。
また保険料は亡くなったかたが払っているけれども、保険の被保険者はご本人ではなく家族だという場合には、生命保険契約に関する権利という財産となります。
イメージとしては保険会社への保険料預けのような形です。
こちらについても、生命保険会社が発行する評価明細書などで計上することになりますので、こちらも計上漏れがないように忘れないように手続きしてください。
まとめ
基本的に公的年金については、相続税の課税の対象にはならず、民間保険については亡くなった方が保険料を払っていれば、何かしらの形で課税対象となると理解しておきましょう。
相続税の税務調査では親族の方の生命保険契約について確認されて保険料の出どころは確認されることが多いです。保険料の支払いが亡くなった方だと上記のように相続税の課税対象になるからです。
保険料を誰が払っているのかという視点でチェックを忘れないようにしてください。
被保険者の方がご存命の場合はいわゆる保険事故が発生していない状態になり、計上漏れが税務調査で判明するケースがあります。