漫画家・同人作家の方向けに償却資産税について概要をお伝えしておきます。課税対象にならないことも多いですがアシスタントに貸与している資産が多いなどの場合は注意が必要です。
償却資産税とは
償却資産税という税目ではなく固定資産税のひとつの分類なのですが、償却資産税のほうがわかりやすいのでこの形で説明します。
固定資産税は主に不動産に課税される税金です。土地や建物を保有している場合に課税の対象となります。
これとは別に固定資産として事業用の資産がある場合に課税の対象となるものがあり、それらを償却資産と区分して課税されているのが償却資産税です。
建物の増改築部分で固定資産税の対象となっているものや自動車税が課税されている車両は対象外です。
建物の内装や構築物、機械装置、工具器具備品関係が主な償却資産となります。
償却資産については対象となっているものについて耐用年数に応じて価値が減少していく計算を行います。
少額減価償却資産(30万円未満で一括で減価償却して経費にしたもの)についても償却資産の対象ですので注意しましょう。
1月1日に所有している償却資産が申告対象となり、資産の所在する市区町村に1月末期限で申告をして、5月頃をめどに償却資産税の納付書や通知が行われます。
家庭用と事業用の両方に使用している資産についても申告の対象になりますのでその点は個人事業主の場合は要注意です。
漫画家・同人作家の場合
事業用の資産としてはパソコン、ペンタブレット、モニターがメインになっていることが多いです。
いずれについても30万円まででおさまっていることが多いため、資産全体としては100万円いかないケースが多く見受けられます。
この場合は償却資産税の免税点である150万円以下におさまっているので償却資産税の課税はありません。
テナントを借りていて内装について大幅に工事をしたりしている場合には対象となる償却資産が増えますのでより資産の把握には留意してください。
免税点以下の場合でも申告の義務はありますので申告だけはしておかれるのが安心です。
パソコンにインストールしているソフトウェア等は償却資産ではありませんので、モノとしてあるもので事業に使っているものをピックアップしておきましょう。
わかりやすいのは決算書や収支内訳書に記載している減価償却資産の中身を確認しておくのが最も簡便です。
あと迷いがちな部分としてよく見聞きするのは修繕費(経費として計上すべきもの)なのか資本的支出(資産として計上すべきもの)なのかの判断です。
イメージでざっくり抑えておいてほしいのは壊れたものを直すのは修繕ですが、機能を追加するのは資本的支出に該当する、というのが大まかな考えになります。
パソコンが壊れたので修理した→修繕費ですが、HDDの機能を追加した→資本的支出です。
資産の購入にあたる場合でも10万円以下の物品に関しては消耗品費として経費計上できますので、もし迷ったら金額と機能面の確認をしておきましょう。
まとめ
多くの場合は償却資産税の課税対象まで資産をお持ちでないケースが多い印象ですが、必要に応じて申告の有無等について確認しておきましょう。
金額のポイントは10万円、30万円(年間300万円まで)、資産は廃棄処分や買い替えたものがないかなどのチェックをしてみてください。