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相続税の申告事績及び調査の状況から読み取れること

相続税の申告事績及び調査の状況から読み取れること

先日、国税庁から相続税の申告事績及び調査の状況がリリースされました。最新のもので令和5事務年度(2024年6月までの分)となります。概要と読み取れることなどを整理してみます。

目次

概要など

申告書の提出が必要だったかたの割合は9.9%となり過去最高の割合となっています。

こちらは全国平均ですので東京など地価が高いところだとさらに上がっていると考えられます。東京局発表資料によると15.

都市部の路線価は高い状態が依然として続いていますし、有価証券、特に上場株式についても高い水準が維持されています。

また金地金も高騰している状態ですので資産価値の上昇が顕著な資産が増えている状態です。

そのため、亡くなった方のうち相続税申告が必要だった方の割合が自然と増えていると考えられます。

相続税額の総額は3兆53億円で前年比で7.4%増となっていますので全体として相続税の増加が見込まれるということです。

調査の内容としては無申告事案については調査を重点的に行っており、過去最高の追徴税額を記録しています。

調査件数そのものも全体として増えていますのでコロナ禍が一巡して実地での調査対応も増えており、また簡易な接触として電話や書面などによる確認も件数が増えています。

読み取れること

税務署は以前から人手が足りていないと言われており、所得税・消費税の調査の状況でも触れられていましたがAIを使って税務調査先の選定などにも力を入れ始めています。

相続税申告についてもそのうちAIによる選定が入ってくる可能性は考えられます。今回はまだそこまでは踏み込んでいないようです。

また人手不足に伴って簡易な接触の事績が増加していてかなり増えている印象です。

電話や書類などによる簡易な接触を増やしていこうという意図が見え隠れします。

簡易な接触の件数は前事務年度から25.2%増、申告漏れ等の非違件数は37.8%増、申告漏れ課税価格は39.0%増となっておりいずれも増加しています。

実地調査と言って調査官が被相続人や相続人などの自宅に赴いて実際に相続人等から話を聞くような形の税務調査はより無申告や申告金額が大きいところに絞ってくるのかなと。

贈与税の調査事績も公表されていますが、件数そのものは減っていますが申告漏れ課税価格は増加している状況です。

贈与税については特に無申告事案の割合が80%と高く、相続税の税務調査時に贈与が判明しているケースも多い印象です。

相続税、贈与税いずれも無申告事案については厳しく対応されると考えておいた方がよいですし、無申告であることに気が付いたら自主的に申告をするのが最もダメージを少なくできます。

まとめ

相続税申告の事績について内容を見てみました。無申告事案については特に厳しく対応している様子がうかがえます。

相続税全体では課税対象となっている割合が増えていますが不動産価格の上昇、株価の上昇などの要因が大きそうです。

相続税がかかりそうという場合には遺産分割対策から専門家のアドバイスをもとに始めていきましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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