漫画家・同人作家の方で所得が高い方の場合はふるさと納税をオススメすることがあります。
ふるさと納税の効果について改めて整理しておきます。
ふるさと納税の基本
ふるさと納税についてまずは基本をおさらいしておきます。
市区町村などに寄付をすることが基本です。それに対してお礼品をもらえるというのがメリットとして大きいわけですね。
あくまで寄付であり、税金の前払いです。
ふるさと納税をしない場合の所得税と住民税の合計金額が仮に100万円だとします。
ふるさと納税を20万円すると所得税と住民税が80万円になったとしたら、支払いのトータルは20万円＋80万円で合計100万円です。
ある一定ラインを越えて寄付をしなければふるさと納税としての寄付のやるやらないでの支払金額については代わりがないという理解でよいです。（2,000円部分については今回考慮しません）
ある一定ラインがどこか、というのは所得税率により変わってきます。
もしそのラインぎりぎりを見るのが大変そう、平均課税の適用可否によっては読み切れない、という場合には住民税の2割を目安にしてもらうのがよいです。
基本的にその金額が目安金額のベースになるからです。
住民税の試算は課税所得金額（確定申告書でみると一番右上の金額です）の10％がざっくりとした計算です。
仮にここが2,000万円の課税所得金額の場合には住民税は目安として200万円となります。（10％として）
これの2割ですから40万円が大まかではありますがふるさと納税の目安として差し支えないでしょう。実際にはもう少し金額としては増えます。（所得税の税率を考慮せずに概算で計算しているため）
| 課税所得金額 | 所得税率 | 限度額計算 |
| 195万円以下 | 5％ | 住民税額×23.5585％＋2,000円 |
| 195万円超 330万円以下 | 10％ | 住民税額×25.0657％＋2,000円 |
| 330万円超 695万円以下 | 20％ | 住民税額×28.7438％＋2,000円 |
| 695万円超 900万円以下 | 23％ | 住民税額×30.067％＋2,000円 |
| 900万円超 1,800万円以下 | 33％ | 住民税額×35.5195％＋2,000円 |
| 1,800万円超 4,000万円以下 | 40％ | 住民税額×40.6834％＋2,000円 |
| 4,000万円超 | 45％ | 住民税額×45.3977％＋2,000円 |
ただし漫画家・同人作家の方の場合は所得税率が平均課税適用により変更されることがあり、今年、前年、前々年の変動所得（原稿料等にかかる所得）の計算により大幅に変わることがありますので注意が必要です。計算して見込を正確に出し切るのは難しいことがありますので、あくまで目安として住民税の2割がセーフティな目安です。
また住宅ローン控除など税額控除を受ける場合もこの辺りの金額に変更があるので注意してください。
ふるさと納税の効果
ふるさと納税をするしないで支出金額のトータルは変わらないとお伝えしました。
なのでやらなくてもよいですし、やってもよいわけですが、所得が大きい方の場合はふるさと納税として不利にならない目安の金額が多いため、ふるさと納税することをオススメすることがあります。
わたしのクライアントの方ですと返礼品で生活必需品をそろえて買い物をする頻度を大幅に下げている方が多いです。
返礼品が生活必需品でまかなえると生活コストが下がると言えますし、そもそも外に行くのが苦手というかたも漫画家・同人作家の方にはいらっしゃいます。
ひとによってはオンラインでの買い物で家からほとんど出ずに1年過ごしているというかたもいらっしゃるぐらいです。
大きくかさばるものだったり生活するうえで必要になってくるものが返礼品としてあれば、生活コストを下げるというつもりでトライしてみるのもよいかなと。
もちろん楽しみとして食べてみたいもの飲んでみたいもの、純粋に地元や出身都道府県や市区町村を応援したから返礼品はなし、という選択もよいです。災害復興などのためのふるさと納税の利用も最近は増えてきています。
まとめ
必ずやらないといけないものというわけではなくあくまで税金の前払いとして、興味があるものがあればトライしてみるぐらいの気持ちのほうが穏やかに過ごせるかなというのが私の考えです。
あと注意としては今年の見込みに対してのふるさと納税の目安金額ですので、今年の所得の見込みをどこまで正確に読み切れるかなども気を付けて目安を考えていただくのが良いです。
